【感想・ネタバレ】死んでも負けないのレビュー

あらすじ

祖父はビルマ戦の帰還兵で、戦争中の武勇伝を得意満面に語る。何百回と繰り返される話だが、聞かないと鉄槌が下るのだ。その祖父が入院した。そこで僕は信じられない光景を目の当たりにする…。戦争帰りの偏屈な老人に翻弄される一家をコミカルに描いた家族小説。著者の知られざるユーモアセンスが冴え渡る会心作!

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Posted by ブクログ

戦争小説を描き続けている古処誠二の異色の家族小説。家族小説といっても、一家の首長の祖父の戦争体験が描かれるのだが。

ビルマ戦の帰還兵である負けず嫌いの祖父から度々、戦争体験を聞かされ、鉄拳制裁を振るわれる主人公の高校生。ある日、そんな頑強な祖父が入院することになり、ベッドの上で眠りにつく祖父が、普段の祖父から信じられないうわごとを言う…

祖父の語る『死んでも負けない』の意味とは…

頑固一徹で、何処か憎めない祖父に翻弄される主人公の高校生と父親の姿が暖かみを持って、ユーモラスに描かれる。古処誠二と言えば、重苦しい寓話的な戦争小説を多く描いているが、本作はそれらとは全く異なる、著者の新境地といった感じだった。

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2015年09月14日

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