【感想・ネタバレ】くれないのレビュー

あらすじ

プロレタリア運動に参加する作者自身の生活に起った、運動の解体や、夫の入獄と転向、といった事件に取材。仕事を持つ妻とその夫とが当面する問題を、深く追究したもので、互いに愛情と理解をもち新生活の建設に努めているはずの夫婦が、なお家庭生活にまつわる因襲や習慣に、矛盾した深い苦悩をなめねばならず、家庭崩壊の寸前にまで陥る経緯を、妻たる明子の立場から描いた力作。

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Posted by ブクログ

プロレタリア運動、というおよそ私には縁のない昔の話である。であるが、文筆業という夫と同じ仕事を持つ妻・明子の苦悩は痛いほど伝わってきた。女性が社会参加して久しい現在も結局のところ、夫を立てる妻といった慣習、因習にしばられている女性は少なからずいると思う。そして、その枷で仕事が出来ない女性も。主人公、明子は幸運にも、その時代にあっても、自分の仕事が出来た人である。そんな女性をしてもなお、家が、夫が、子供が、生活が彼女を縛るのである。女が自己実現する方法はあるのだろうか。そんな暗澹たる気分にさせられる。

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2009年10月04日

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