あらすじ
猛烈な人類愛に燃えたった自称体制側無知識人野田秀樹が、なりふりかまわず惜しみなく、ガンバリすぎる大人たちに愛を分け与えた! いきなり野田秀樹自身をほめちぎり、桑田真澄、フセイン、勝新太郎、土井たか子、ピンク・レディー、大川隆法など各界のエライ人たちをほめてほめてほめ倒し、ほめくさらせる前代未聞の絶賛人物エッセイ集。
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Posted by ブクログ
雑誌に連載されていた内容に書き下ろしを数編プラスしたエッセイ集……というべきかどうか、少し迷うが、その類の本である。
偉大なる我らの野田秀樹大先生は、その優しさからとにかく他人をほめる、ホメる、褒める。人間を革命しちゃったあの人を、幸福を科学しちゃったこの人を、イラクで戦争を首謀しちゃったその人を、褒めて褒めてぶった斬る。そして返す刀で……やっぱり褒める。まことに痛快である。
雑誌連載という事情を鑑みて、この文章の経年劣化は仕方が無いことだとはいえ、著者の人を観る角度や切り口、そして巧みな言葉遊びや展開の飛躍は「夢の遊民社」やその後の芝居とも重なるものがあるように思う。
この人の戯曲は読んでいて面白い。口に出してみて面白い。もしもこの本から野田秀樹の世界に迷い込んだ方が(そんな方がいるかわからないが)いるならば、戯曲集を手に取ることをお薦めしたい。その才能を褒めちぎりたくなること請け合いである。