【感想・ネタバレ】北の岬のレビュー

あらすじ

日本に二年の歳月を待ちこがれる婚約者がいるにもかかわらず、パリからの帰途、修道女マリ・テレーズと運命的な邂逅をした留学生“私”の内面を通して、永遠の光に照らされた至純の愛への覚醒を描く表題作。ほかに、晴朗な筆致で現代人の陥ち込んだ、この不確かな生、曖昧な生に、豊かな生命の息吹きを吹き込む珠玉の短編「ランデルスにて」「風塵」「円形劇場から」「叢林の果て」全5編を収録する。

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Posted by ブクログ

短編五編を収録しています。

第一話「ランデルスにて」は、明確なオチをもつ怪奇潭仕立ての作品で、純粋な愛(の不在)をテーマにしています。第三話「風塵」も、やはり怪奇潭のような雰囲気をもつ作品です。

表題作となっている第二話「北の岬」は、婚約者の直子を日本にのこして二年間パリですごした留学生の男が、修道女のマリ・テレーズへの愛を棄てることができず、帰国後彼女のもとを訪れるという話です。

第五話「叢林の果て」は、叔父夫婦の家を出てタバコの売り子となったマリアナという女性と、革命軍の兵士であるラウルの語りが交互にならべられるという、風変わりな構成の作品です。

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2021年08月02日

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