あらすじ
理想のラグビーとは何か。頂点に挑む男たちの熱き闘い! 大学リーグ四連覇を目指す強豪・城陽大ラグビー部が初戦に大勝した夜、名監督の誉れ高い進藤元が急死。チームは、ヘッドコーチから昇格した七瀬龍司に引き継がれた。七瀬は城陽OBではなく、進藤監督の高校時代の教え子で、半年前にヘッドコーチに就任したばかりだったが、亡き監督が生前、七瀬を後継者にしたいという意向を伝えていたのだ。動揺する選手たちに対して七瀬は、従来の城陽の「型に縛られた」プレースタイルにとらわれず、選手の自主性を促し、相反する戦術を試みようとしていた。そのことに、亡き監督の息子でもあるキャプテンの進藤直哉は反発。OBも介入し、チーム内には不協和音が……。新たな戦術にこだわる七瀬の真意とは。そして、最後に栄冠をつかむのは誰か!?
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Posted by ブクログ
初 堂場瞬一作品。
ラグビーは、冬の屋外でのスポーツでした。かつては、冬は今よりもずっと寒かった。
だから、観客席の私たちは、選手のプレイと一緒になって声援をあげていた。寒さを吹き飛ばすかのように。
フォワード中心の「テンマンラグビー」チームが、いきなり「フィジアン・マジック」には、いかんせん無理がある。百歩引いて、名監督後の新チームの立て直し、前監督の”指導”からの脱皮ストーリーとして捉えた方が無難かもしれない。
ラグビーに限らず、大学スポーツは在任期間が長い名監督が多い。その監督の後、暫くチームが低迷する場面をみかける。監督が代われば、それもまた仕方がない事なのでしょうか。「もしかしたら、別の可能性も?」に至るには、時間がかかり、本人の決断が必須なのかも。と感じる。
七瀬新監督の「自分の頭で判断して変えるのと、人から命令されて変えるのとでは全然違う。君たちに、自分の頭で考えるように言っただけだ」が的を得ている。ただ、”考える”ことがチームに浸透するには、もっともっと時間がかかるハズ。その計算はしなかったのだろうかと、気になるところです。
大学選手権に間に合うかどうかは、時間的に何とも言えないけど、来年以降の常陽大ラグビー部に期待できそうです。
ちなみに、モデルになった大学は、明治?かな?
印象的なフレーズは:
★お前、あんまり物を考えてないだろう。悩み足りないんじゃないか?考えないラグビー選手は大成しないぞ
★選手たちは、同じような高揚感を感じることがあるのだろうか。勝つ以上の魂の昂ぶりを。
★監督の言葉が、俺たちに限界を作ってしまっていたんだ