【感想・ネタバレ】岐阜県警 レスキュー最前線のレビュー

あらすじ

穂高連峰や笠ヶ岳など北アルプスの飛騨側で、登山者の安全を守り遭難者の救助に命を賭ける「登頂なきアルピニスト」たちがいる。

1964年に発足した岐阜県警察山岳警備隊が、昨年、50周年を迎えた。
これまでも組織の改編、隊員のレスキュー能力の強化などに努めてきたが、50年という節目はその成果のひとつの表われでもあろう。

本書は、第一線で活躍する彼ら隊員たちの遭難救助への思い、遭難の実態などを明らかにし、遭難防止の大切さを訴える。特に最近は、遭難の実態も中高年登山者の増加、携帯電話の普及などによって以前とは大きく様変わりし、山岳警備隊の役割も多様化しつつある。
そうした変化に対応しながら、遭難救助の最前線で奔走する隊員たちの思いと行動を描いた読みものである。「レスキュー最前線・長野県警察山岳遭難救助隊」に続く岐阜県警察版。

これまでとは山岳遭難の態様が大きく変わってきている「中高年登山者」「一般登山道での事故」「携帯電話の普及と安易な救助要請」「ヘリコプターによる救助」「個人情報保護法の壁」などのキーワードを軸にして、隊員や家族の手記を中心にまとめた手記。

初めての遭難救助、思い出の救助活動、痛恨の二重事故、穂高常駐、航空隊の活躍、民間の遭難対策協議会、山小屋との連携など、遭難救助における隊員と遭難者のドラマが綴られる。

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Posted by ブクログ

横山秀夫先生の警察物が好きだ。組織の枠の中で最大限の努力をする、そのジレンマが面白い。
この本は岐阜県警山岳警備隊発足50周年記念、ということで、北アルプスでレスキューに携わる山岳警備隊や航空隊の隊員、その妻、後方支援、山小屋オーナー等の手記がまとめられている。、警察内の人事等の内向き情報も多く、一般向けを意識しながらも堅い記述が多いが、それがまた警察らしくて良い。遭難シリーズの羽根田治が取材・構成として参画しているので、よくまとめている感じがする。
警備隊を目指して他県から志願したり、航空大学を出てレスキューを目指したり、はたまた山に登ったこともないのに突然任命を受けたり、それぞれの出自の違いはあるものの、広報活動の一環という枠を超えて山岳救助に対する熱い思いが伝わってくる。
富山県警編もあるようで、多分、劔中心となるだろうから、そちら読んでみたい。

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2017年06月29日

Posted by ブクログ

岐阜県警察山岳警備隊発足50周年を記念して発行された本。
山岳警備隊員や救助を後方支援している「新穂高登山指導センター」事務局の方、山岳警備隊員の家族、山岳警備隊を支える北飛山岳救助隊の方、山荘小屋番の方などの手記をまとめたもの。
山登りが好きな隊員だけではなく、「体が大きいから」という理由で隊員に任命されているのには驚いた。
装備は持っていればいいと言うものではなく、正しく使いこなせないと逆に危機的な状況を招いてしまう、と言う文章に自分自身を重ねてしまった。
畑違いではあるが、資格を持っていればいいと言うのではなく、これまで以上に技術を磨かないといけないといけないと思った。

山頂を踏まず、同じ登山道を何度も何度も登り返し、景色を見ることなく現場へ走る

山が好きなだけではやれない、危険と背中合わせな仕事であり、畏敬の念しかない。

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2024年08月12日

Posted by ブクログ

夏山しか行かないので、脱帽です。高山植物監視員のバイトの時、山小屋に泊まり込みしましたが、毎日見る大雪山の風景は、目に焼き付いています。でも、救助となると、危険過ぎ。ご苦労様。

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2024年01月21日

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