あらすじ
日本版「フランダースの犬」の誕生!
第二次世界大戦で両親をなくした少年、ツヨシ。
幼い彼の前に現れたのは、虐待同然に働かされ、捨てられた大型犬だった。
ツヨシはその犬に「ソラ」と名付け、家族同然に生活を共にし始める。
生まれて初めて平穏な日々を過ごすことになった犬が心に宿した、飼い主への感謝と愛。
しかし、別れのときは刻一刻と近づいてくる――。
「犬の愛」が最後に行きつくところとは、いったいどこなのか。
「フランダースの犬」へのオマージュとして描かれた、傑作長編小説!
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Posted by ブクログ
「思いもよらないラスト」と帯にあった通り。
少年ツヨシとハスキー犬のソラの物語だが、全くほのぼの系ではない。
フランダースの犬に似た話かと思わせといてこのラストの急展開。
確かに、少年の書く小説にその兆しはあったが想像以上の結末。
感想を書こうにも感情がぐちゃぐちゃだ。
少し前に三浦綾子著「母」という小林多喜二の母が息子を語る小説を読んだが、こちらも貧乏だが本好きな少年、というところから始まっている。貧乏人もお金持ちも平等な世の中になって欲しいという願いも同じ。思想も似ているのに、これがちょっとしたボタンの掛け違いというやつか。
少年ツヨシに心を寄せて読んでいたのに、ラスト、ツヨシの正体が明かされた時の衝撃たるや。肯定はしない。