あらすじ
プロ野球とJリーグの両方で社長を務めるという稀有な経験の持ち主、藤井純一。セレッソ大阪、そして北海道日本ハムファイターズで人気低迷から来る大幅な赤字を「地域密着」というコンセプトで黒字転換させた彼は、いかにして地域密着を成し遂げたのか? スポーツで街を元気にする、経験に裏打ちされた成功哲学。
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Posted by ブクログ
ハンカチ王子・斎藤佑樹をドラフトのくじで引き当てたことで有名になった元ファイターズ球団社長の藤井純一氏が自らの球団経営についてまとめた本。
この藤井氏、ファイターズの球団社長になる前にはJリーグのセレッソ大阪の球団社長も務めた人物でセレッソ、ファイターズでの球団経営の話は非常に興味深いものでした。
ファイターズが常に優勝争いができるチームになったのは藤井氏の功績が大きいのだと思いました。特に選手評価のシステムを作るにあたって、セレッソ社長時代に視察に行ったブンデスリーガのバイエルン・ミュンヘンの手法を取り入れたというところが興味深かったです。
そんな藤井氏も元々は親会社の日本ハムからの出向者。事なかれ主義で過ごす人物が多い中で、藤井氏はスポーツビジネスはもちろん野球やサッカーも素人にもかかわらずファイターズを地域密着の優勝を争えるチームに育てたというのは親会社からの出向者としては大変な成果だと思います。こういう人が球団フロントにもっと増えれば日本のプロ野球はもっと良くなるだろうと思います。
最後に藤井氏が本書内に書いた内容で、自分自身の仕事、人生にも参考になるなと思った言葉を記します。
「知らないことなら調べればいい。分からないことは聞けばいい。相手が専門家だからといって憶する必要はない。」
「要は、いかに興味を持つかである。興味さえ持てば学ぼうと言う気持ちが起きるし、学びさえすれば、これまで見えなかった新しい世界がくっきり見えてくる。」
スポーツに興味がある人はもちろん、ビジネスマンにもお勧めの1冊です。
Posted by ブクログ
北海道日本ハムファイターズの前社長、藤井純一氏と言えば、あの斎藤佑樹投手をドラフトで引き当てたことで一躍有名となりました。
藤井氏は日本ハム株式会社の営業マンとしてキャリアをスタートさせます。藤井氏と言えば、ファイターズの社長、というイメージですが、実はそれ以前に、日本ハム株式会社がスポンサーを務めるJリーグのセレッソ大阪というチームの社長も務められていました。セレッソ大阪というチームができる以前から既に大阪にあったガンバ大阪というチームといかに差別化を図り、地域に根ざしたチームとなっていったのかが、社長として組織改革を行った藤井氏により語られています。
その後、セレッソでの手腕を買われ、北海道に移転後も赤字だったファイターズの社長として経営改革を任せられます。藤井氏が1番初めに行ったこと、それは社員の意識改革です。他人任せや無駄な仕事を排除し、社長自らが社員一人ひとりがきちんと報酬に見合う働きをしているかをチェックしたのです。そうすると、初めは煙たがっていた社員もどんどん新しいアイデアを出し、当事者意識を持って働くようになって行きました。
2つのプロスポーツチームのトップとして成功を収めた藤井氏の改革は、いつも1つの鉄則に忠実であったからです。その鉄則とは何なのでしょうか。藤井氏の改革マネジメントは私たちにも多くのヒントを与えてくれるでしょう。