【感想・ネタバレ】恋愛しない若者たち コンビニ化する性とコスパ化する結婚のレビュー

あらすじ

恋愛至上主義の終焉と結婚の危機!恋愛とセックスと結婚の三位一体は崩壊!
「いつかは結婚したい。でも恋愛は面倒。」「夫はいらない、欲しいのは子どもだけ」
「ラブホもワリカン」「恋愛はコスパに合わない」「恋愛にはリスクがいっぱい」「パパやママといるほうが楽しい」「すぐそこにある、離婚という恋愛不良債権」……。

女性7割強、男性8割弱の20歳にいま、彼氏・彼女がいない。また恋人ナシの20代の4割が「いらない」と言い切る。でも、その一方で20代女性の7人に1人にセフレがいて、同男女の9割以上は「いずれ結婚はしたい」と言う。「面倒な恋愛から解放されるためにも」!? かつて、恋愛とは青春の象徴であった。いま若者たちの間に何が起こっているのか?

新語・流行語大賞にノミネートされた「草食系(男子)」や「おひとりさま(マーケット)」を世に広め、若者たちの変容や人生観に詳しく、TVや雑誌でもおなじみのマーケティングライター・牛窪恵が、識者や若者への徹底取材ならびに本書のための徹底した定量調査も行い、その実態と傾向から非恋愛時代の新しい結婚のカタチを探る……!
そこから見えたのは、バブル崩壊後に起こった数々の「恋愛革命(レボリューション)」だった!

「若者にとって、恋愛がとても『面倒』な時代になった」(関西大学・教授 谷本奈穂氏)
「現20代男女にとって、恋愛は精神的に『重い』もの」(和光大学・准教授 高坂康雅氏)
「現実主義となったいまの若者から見て、恋愛は『コスパ』に合わない」(中央大学・教授 山田昌弘氏)

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Posted by ブクログ

ネタバレ

つくづくそうだよなあ、今の若い人は大変だなあと共感しながら読んだ。子供世代にあまり気を使わなくていいよと言えるといいのだが。
2018.8再読。なんとも身につまされる。

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2019年08月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・いまどきの若者はコスパ重視
・目的が子供が欲しい、親を喜ばせたいなどの場合恋愛は不要
・恋愛はハイリスクと考えられている
・子供の親離れの遅さが恋愛を遠ざける
・セフレは恋人より楽だからつくる
・今時の若者はいい子体質が多い。周りの目、親の目を気にする
・親世代と価値観が全く違う。親世代は自分の価値観を押し付けるべきではない。
・恋愛、結婚の形は多様化している

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2022年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

第一章 恋愛レボリューション 何が若者たちを恋愛から遠ざけているのか?
・若者たちの恋愛阻害要因①「超情報化社会」がもたらした功罪ーバーチャル恋愛とリアル恋愛の狭間で
・②「男女平等社会」と「男女不平等恋愛」のギャップとジレンマー昭和の恋愛幻想に縛られる若者たち
・③超親ラブ族の出現と恋愛意欲の封じ込めーなぜ子離れできない親が増えたのか
・④恋愛リスクの露呈と、若者たちのリスク回避ー「自己責任」に脅える恋愛事情
・⑤バブル崩壊と長引く不況が招いた、恋愛格差社会ー非正規では恋愛もできない?

第二章 恋愛とセックスと結婚の歴史、そして、世界事情 恋愛と告白、結婚は相容れない!?

第三章 恋愛結婚から「連帯結婚」へ 圏外やコスパ、多用な結婚を受け入れよう!

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2015年10月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たくさんのデータと取材をもとに構成された社会学っぽい書籍で大変おもしろかった。
性にまつわるテーマであるため、どうしても拠り所が『an・an』などといった、n数はいくつですか、対象者は誰ですかという雑誌に頼らざるえない場面があるようで、その点では「極論」だとか「ほんの一部の事例」と評する人がいると思うけれど、若者が以前より恋愛をせず恋人をつくらない事実は、内閣府の「少子化白書」からも間違いないこと。その原因は何かをさまざまな角度から深堀りしていて、ぐいぐい読めるものだった。

著者の牛窪恵さんは、「おひとりさまマーケット」や「草食系男子」などの言葉を生み出した方で、ネットで検索すると、一部の現象をあたかも全体の傾向のように表現する人だと批判されていることが多い。どうやらTV出演でそういう印象を抱く人がいるようだ。

確かに、今どきの若者(厚生労働省の基準では34歳までを指すが、牛窪さんは平成生まれとかゆとり世代の20代を指していると思われる)のうち、恋愛や性についてコスパの良し悪しを基準に語る人がどれだけいるのかはわからない。しかし、確実に性欲を解消するための商品は「コンビニ」で購入するような気軽さで買えるし、20代で非正規として働いている率が3割を超えている現実から「コスパ」は考えざるえないという状況なのは想像に難くない。
その状況を牛窪さんは、やや戦略的に過激な言葉で表現している。逆にいえば事象の切り取り方と表現方法、売り方が巧いマーケターで私なんかはその才能に唸ってしまった。すらすら読ませる文章力、なるほどど思わせる論理力もすごい。

取材に応じた若者たちの事例がどこまで一般的なのか、あるいは特殊なのかは私の限られた人間関係からは見えないものの、セフレやソフレがいようと、超親ラブ族であろうと、「結婚」は特別なものであり、絶対に不要なものであるとは思っていないように感じる。どちらかというとフランスのPACSのような制度による事実婚や、別居婚・週末婚のような多様な結婚の在り方が自他共に認められさえすれば問題はそこまで深刻にはならないのかもしれない。政府はより時代に合う法に改正し、環境整備すべきだ。

ただ恐れているのは、この「恋愛はコスパに合わない」「結婚は必需品ではなく嗜好品」という言葉がひとり歩きして増長していくこと。私のような分際が何を宣われていらっしゃいますか…という周囲からの厳しい目は重々承知しています。この投稿は自虐だとわかっています!

最近よく思うのは「本には真実や大切なことが書かれていないのではないか」ということで、どこか人を振り向かせる刺激や中毒性を孕んでいないと本は売れないため、鵜呑みにしすぎてはいけないと自戒の念に駆られます。『星の王子さま』でいうところの「一番大切なものは目に見えない」という話です(が、星の王子さまを引用してくること自体が話の展開として矛盾してますね笑。まあ続きを読んでください)。非日常の世界を繰り広げる「書籍」で語られた金科玉条の言葉たちや、逆に俗っぽくてキャッチーな言葉たち。その連鎖で日常がかたちづくられていることをよくわかっていなければいけない。資本主義社会では、ものを売るために非日常の言葉によってつくられた日常がごくごく当たり前であり、それは避けられないし、一方的かつ全面的に悪とはまったくいえない。いや、資本主義社会でなくとも、人の営みは非日常の言葉で脈々とかたちづくられてきた。

だから、この本の内容をそのまま鵜呑みにして、はいそうですかはかなり危険だと思う。牛窪さんによるひとつの問題提起であり、調査や議論の種であり、何かの花を咲かすための道具だと位置づける理性をもちたいです。

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2015年10月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 たいてい、こういうタイトルの本はクソジジイかクソババの上から目線で最近の若い者が云々と説教じみた論考を纏めた挙句、終わりの言葉に「江戸時代に戻ろう」なんて頭に苔生えたような老害脳で絞めるのがセオリーである。
 さて、どうせ同じように説教じみた本なんでしょ?と読み始める(そういう本をわざわざ読む俺も頭おかしい部類)。
 読み進めてみると老害側ではなく、若者側の主張に寄り添っていることが分かった。

 若者が一番言いたいことが書かれていた。
 「こんな世の中にしたのは大人だろう」というもの。
 この主張が書かれている新書は少ないが、若者が声を大にして文句を言いたいことを一言にまとめるとこれだ。

 リスクを避けようとする意識、振られることへの恐怖、恋愛はしたいが無理だと諦める。
 そういった恋愛への反動で家族、友人とのつながりを大事にする若者像は、確かにその通りである。

 現に30手前で月一程度でサークルに、学科に冴えない男ら集まって飲んでいるが、気楽である。
 
 俺たちが実感するのは、恋愛のハードルが高すぎる。もはやどうしていいんだかわからん。わからんうちに年食って、同年代は皆三十路である。

 少子高齢化対策に結婚して子供産んでもらおうとか、一億総活躍(戦中クセぇ)のスローガンとか、いろいろ言ってるけど無駄なことやってんなぁと思う。
 じゃあどうしたら解決できるかって、そんなんわからないけど。
 とにかく恋愛のハードルは下げたほうがいいし、それができるとしたら小中高くらいしか女の子としゃべる機会ないんだから、その時にどうにかしたほうがいいよ。


 さて、本書では若者へのインタビューが多数載っている。 
 セフレソフレがいるけど結婚までは考えていないとか、
 彼女はいたけど恋愛が面倒だとか、
 フリーターでは金銭的に結婚は無理とか、

 俺がこの本で共感できないのはインタビューされてる若者に共感できない。
 セフレがいるとか、彼女はできるとか、逆にうらやましいな、おい。いいから結婚しろ馬鹿と言いたい。

 インタビューの対象は文系男子ばっかりなんだろうと思う。

 俺の周りの三十路野郎ども、一部上場企業とか国家公務員とか、割りかしまともな職に就いて手堅い奴らばかりだけど、圧倒的に結婚できない。
 なにせ出会いがないし。
 金銭的余裕もある、恋愛もしたい、最終的には結婚したい。そんな奴らばかり。
 だが、できない。かくいう俺も三十路近くで何もなく、まぁ無理だろうなぁとインタビューに出てくる若者とは違う方向で諦めている。

 いったいどうすりゃいいのかね。
 ふと思いついたけど企業同士で合コン開いてみれば?もちろん、男女参加費は同額の。
 サラリーマンの付き合いはほぼ会社だし、一人で街コンは無理でも先輩後輩で行きやすそうじゃん(行きにくい人間関係の職場もあるだろうけど)。
 それに、会社同士なら向こうの均一化されたステータスの人が集まるから、とんでもない地雷踏むこともなさそうだから安心だし。

 しかしまぁ少子高齢化は世界のトレンドだから、この傾向は変わらないと思うけどね。諦め。

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2015年11月09日

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