【感想・ネタバレ】茶のこころを世界へ 平和への祈りのレビュー

あらすじ

時代を切り開いてきた人の半生をたどり、思いや夢に迫るNHKBSの番組「100年インタビュー」の単行本化シリーズ。17巻目の本書は、茶道裏千家大宗匠千玄室さんの回を単行本化したもの。400年以上続いている茶道の家元の家に生まれ、6歳の6月から稽古を始め、15代家元になるべく育てられてきたが、昭和18年、同志社大学2年在学中に自ら志願して海軍に入隊。飛行科に入り特攻を志願。しかし出撃の直前に待機命令が出て生き残り、死んでいった戦友たちへのうしろめたさに苦しむ中、14代家元の父のもとにGHQが茶道を習いに来ているのを見て「これだ! 文化の力だ! 戦争には負けたが、文化では負けない! お茶は世界平和の架け橋になる」と気づき、伝統文化の継承に目覚めた。平和への願いをこめて世界60か国以上を訪ね、国際会議などで国と国をつなぐお茶のセレモニーを開催。和の教育に尽力してきた半生を裏千家今日庵のお茶室で語ります。

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Posted by ブクログ

近頃、テレビを付ければ戦争のニュースに心を痛める。それが戦時中を経験した方ならなおのこと。裏千家大宗匠である千玄室さんは自身が特攻隊として訓練を受けたひとり。生々しく描写された当時戦争で亡くした友との最後の会話には思わず涙を流してしまった。そんな彼は「一碗からピースフルネスを」をテーマに世界60ヵ国以上を飛び回る。お茶という日本の文化を通じて世界の人々と心を通わせることで心から平和を願う。私も茶人の端くれとして、茶の文化を世に伝えていきたいと思った。

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2024年08月19日

Posted by ブクログ

茶道をしていなかったら読まなかった1冊。
茶道経験していたからこそ手に取った本だが、茶道を知らない人にも読んでほしい。
特攻隊を経験し、生き残った、お茶の家の息子だからこその想いが描かれている。

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2022年05月26日

Posted by ブクログ

お茶の本は二冊目。

読んでいる途中もそうだけど、読み終わって、大宗匠のプロフィールを読んでいるときに、感動して涙が溢れてきた。
読み終わったあとに、なんともいえないけど、自分への影響が確実にあるんだろうと思う。
また、戦争後、渡米したときに、パスポートではなく「占領国民として、保護されたし」という紙切れで渡航したこと、
戦っていたアメリカで知ったあたたかいファミリーのことが印象的だった。

茶道の精神 和:平和と調和 敬:互いに敬いあう 静:清らかな気持ち 寂:何事にも動じない気持ち/お茶をいただくときは、正面を避けるために碗をまわす/思いをいれる前に、型から入り、それを通り越す/体力的なの力関係を越える「文化の力」/国連ミレニアム総会で、韓国と北朝鮮の代表団が二人揃ってきて、お茶を手にした

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2016年08月04日

Posted by ブクログ

型に血が入って“形”になっていく
茶碗は地球、抹茶の緑は失われていく自然
日本は戦争には負けたが、文化では負けない
一盌からピースフルネスを

いくつも言葉が心に残った。

戦争を知る人、
特攻隊から生き残ってしまったという意識を持つ人の言葉の重み、茶道云々というより、人として、日本人としてどうあるべきか、考えさせられた。

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2015年05月17日

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