あらすじ
2015年6月に日本の全上場企業に対して適用が始まったコーポレートガバナンス・コードについて、企業がどう取り組むべきか解説します。社外取締役選びや株主との対話にしても、マニュアルに沿った対応ではなく、いかにして実効性を持たせるか、具体的に、先進企業の取り組みなども交えて説明します。報告書作成など直接の担当者はもちろん、経営・法務・財務など関連業務の担当で、ツボを押さえておきたいビジネスパーソンにも最適の入門書です。
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Posted by ブクログ
コーポレートガバナンスコード
【1.購読動機】
上場企業に課せられているルールを知りたいため。
【2.東証が設定した背景】
日本企業が欧米と比較して、資本コストに対してのパフォーマンスが低いため。
日本企業が中長期で企業価値を増加させるための企業統治のルールを定めたもの。
【3.内容】
企業が投資家含めた多様な視点を取り入れ、経営判断を行い、中長期の利益、企業価値を獲得するための説明を行い、結果そして原因分析を行うこと。
※SDGs.ESGへの寄与も含まれる。
【4.投資家が企業に期待すること】
利回りが、資本コスト最低7%超となること。(伊藤レポート)
【5.コーポレートガバナンスコード原則】
なお、「コード」とは、行動原則と訳す。
①株主、平等性
②株主以外への説明責任
③情報開示
④取締役会(戦略、リスクテイク、監督)
⑤株主との対話
※④の取締役会が果たす役割の説明がほぼ半数を占める。
【6.企業俩值評価型投况】
投資家の判断基準は下記の3つ。
①資本コスト
②ROE
③利益成長率
【7.コーポレートガバナンスコードが期待する取締役会の役割】
①中長期経営方針
②資本生産性、中長期目標
③達成プロセス
③があることで、未達成の場合の説明が具体的、論理的となる。
【8.上場後、株主構成を把握する目的】
長期投資かつ批判的な株主をみつける。
理由/外部から見た経営課題を理解できるため。
【9.投資家との対話】
記錄すること。
メリット/時系列整理および弱み、強みの整理、活用。
【さいごに】
著者が野村証券出身かつコーポレートガバナンスコードの策定に政府と取り組んだ実務者であるため、東証側の意図を理解できたことに意義がある。
内部監査または監査役監査を行うとき、そして、アナリスト側の視点で自社の財務分析をするときに役立つとも考える。
企業側がどのような投資家に出会い、どのような評価がされているのか?を定点的に押さえること。
そして、経営側にフィードバックしていくことも併せて重要と理解できた。
Posted by ブクログ
さらっと内容を理解するにはよし。個人的にはSSしかりCCしかりくだらないよね。
オムロンが取組の優良企業として取り上げられてるが、果たして企業価値向上に繋がってるのか?
そんなことしてる間に、
横でキーエンスが着々とシェアを広げてる。
Posted by ブクログ
ざっと概要掴むには良いけど、理論的な背景とかはあまりない。ちょっと自分の需要には合わなかった。日経文庫にそこまで求めるのは無理があるか。
しかし、日本のコーポレートガバナンス・コードが、統制や規律づけを目的とするのではなく、資本生産性の向上を目的としている、というのはどうも納得がいかないんだよな。資本生産性をどう向上させるか、そもそも資本生産性を向上させることを企業の目標とするのかは、企業がそれぞれ創意工夫すればいい話で、当局がとやかくいう問題じゃないと思う。市場参加者としてミニマムを遵守させる以上のことは、不要な気遣いで、大きなお世話だと思う。もしCGコードの目的が本当にそうであるなら、まさに大きなお世話だよな。