あらすじ
この国では外国人との恋愛は禁忌。たとえ国王から誘惑されたとしても。
イギリス人家庭教師のファーンは休暇を過ごす雇い主に従って、砂漠をらくだで渡り、クアマラ国のオアシスにやってきた。そこで妻を亡くした王ザフィルと出会い、思いがけず恋に落ちる。実はファーンは幼い頃から母に“色欲は罪”だと教えられてきた。23歳の今でも純潔を守り続けているのは、そのせいだった。だが、ザフィルとの密会はしだいに熱を帯びていき、彼がオアシスを去る前日、ついにファーンは身を捧げてしまう。そしてあろうことか、彼の子を身ごもってしまったのだ。この子は禁忌の証……ザフィルに伝えることは許されない。あふれる涙をこらえて、ファーンは一人、クアマラ国をあとにした。
■期待の新人作家ダニー・コリンズが描くのは、“色欲の罪”。砂漠のオアシスで繰り広げられる濃密なロマンスをお楽しみください。
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Posted by ブクログ
面白く読めました。
私の好きな砂漠のシークものです。
ヒロインのファーンは母子家庭で育ったが、母親から「色欲は罪」だと教えられて育ってきた。
そんな彼女が母の死後、砂漠の国王の幼い娘たち二人の家庭教師として雇われることになる。
娘たちはファーンにとても懐いていて、国王の妻アミネにも信頼され、親しい友人に近い関係を築いていた。
そんなある日、国王一家が出向いた砂漠のオアシスで、ファーンはアミネの兄ザフィルに出逢う。ザフィルもまたクアマラという砂漠の国の王だった。二人はひとめ見た瞬間から激しく惹かれ合うが―。
男女の愛を罪だと教え込まれたファーンは純粋で無垢な女性です。
そんな彼女に心奪われたシークは雄々しい砂漠の男ながら、繊細さと優しさも併せ持ちファーンを魅了します。
彼もまたアラブ人とイギリス人の母との間に生まれた混血児としての葛藤を持って生きてきました。
二人は惹かれ合いながらも一度は別れるものの、やがて再会。その時、ファーンは王の子を身ごもっていました。
葛藤を持った人、傷ついた人は他人に対しても優しくなれるものでしょうか。
二人ともに魅力的なキャラで、嫌みなく楽しく読めました。