あらすじ
母親の死後、のどかな梅木旅館に引き取られて育った梅子。旅館の一人息子で元(?)天才ピアニスト・蔵之助のピアノを子守歌に育った梅子も、もうすぐ花の大学生。そこになんと音信不通だった、ドイツ人の父親が現れた…!! ナチュラルな感性とシャープなセンスで人気の勝田文。ざわついていた心を優しくフラットにしてくれます。
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Posted by ブクログ
幼い頃にたった一人の肉親である母を亡くし、その母の親友一家に引き取られて育ったヒロイン梅子。
その家の一人息子である蔵之介とは兄妹のように育ったが、周知の事実であるかの如く、梅子の高校卒業と同時に結婚しちゃった話からこの物語は始まる。
(いや、結婚に至るまでには、もちろんひと悶着あったのだけどね)
お互いを「好きだ」というような情熱はひとつも描かれていないけれど、兄妹のような幼馴染みだったからお互いの存在はあって当たり前、さりとてなくなると息苦しい空気のように、大事な存在なのだなぁ。
イケメン(されどうだつのあがらぬ優男)蔵之介の家族への愛情、特に乃子への子煩悩な姿に和みっぱなしの私(笑)
小梅夜曲と深雪譚詩曲が好き。
あ、同時収録のユキの冒険も良かった♪
どこかしらスコーンと抜けるような冬の青空みたく気持ちいい漫画。
出てくる男の人が(床屋のおじいちゃん含めて(笑)皆ちょっと抜けていて愛すべき人たちなのもいい。なかでも梅子パパがいい人すぎて、おじさま好きにはたまらない。
Posted by ブクログ
読みきり連作です。
楽譜に例えるなら、組曲集みたいな感じ。
芸姑だった母を早くに亡くしたヒロイン・梅子と、ヒロインがひきとられた旅館の息子で、事故によりピアニストの道を立たれてしまった蔵之介を中心としたお話です。
音楽の話もたくさん出てきて話に絡んできますが、小難しいことは一切なしで軽いタッチで描かれています。
笑える要素もたくさん。お祭りの占いのくだりは爆笑してしまいました。
劇的な展開はないものの、よく考えてみたら凄くヘビーなものを抱えているはずの人たちを明るくさらっと描いています。
最終話の蔵之介の葛藤や決断、梅子の想いは、そんなに深刻そうな描き方をされていないのに、ぐっと来るものがありました。
ほのぼのとした物語の中に、やさしいものがたくさん詰まっていました。
この先、何度も読み返したい1作です。
Posted by ブクログ
あくがなく、かわいらしく、おもしろい。何度でも読み返せるお話。
里帰り中に姉の本棚で見つけ、連続で数日間見続けて挙げ句の果てに持って帰ってきてしまいました。
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とても優しい漫画。こんな夫婦は本当に憧れますね。お互い相手を束縛したり怒ったりしないけど、心の奥で相手のことを思いやってて、ふとしたときに愛を感じる。羨ましい限りです。絵も和風テイストで可愛らしくて大好きです。
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勝田文さんの漫画を読んだのはこの作品が初めてでした。
すぐに虜になり、コミックスを持っているにも関わらず、この愛蔵版を買ってしまった程大ファンですw
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コーラスで発見した漫画家。
単行本が読んでみたくて買いました。
とにかく、ゆるい!
けど、そのゆるさが独特雰囲気を醸し出している作品でした。絵も決して上手いとは言えないけど、そのいびつさが良さになっていると思います。
ちょっと、気軽にときめいてほっこりしたい人オススメです。
Posted by ブクログ
コミックス版を持っているので、買っていないのですが…
同時収録「ユキの冒険」はここでのみ収録されているようです。
で、表題作の感想はコミックスのところにおいておくとして。
「ユキの冒険」めっちゃいい!!
エクスリブリス!エクスリブリス!(…って、イマイチ覚えられないんだけど、蔵書票のことだそうです。…蔵書票のこともあまり知りませんが。)
この人の作品は小道具の使い方(選び方)が上手いかも。(「ちくたく〜」も時計ってありがちだけど可愛いし)
登場人物手書き文字でけっこうきついツッコミ入れる人多いんだけど、とにかくあったかい物語。可愛い絵柄。
たまらんです。これはけっこう万人受けもすると思う。もっと押し出すべき一作だわ。
愛蔵版にしか入ってないなんて勿体ない!
著者は、人間の情けない部分に対して本当に暖かい目線を向ける。いいよなあ。
そんな見方がちょっと落語的。
(しゃべれども〜が上手くコミカライズできるのもさもありなん)
Posted by ブクログ
ゆるーくて、ほのぼーの♪な漫画。
音楽を、それぞれ違った続け方をしているのが良いなぁ。
プロになれなくても、それぞれのピアノの続け方があり、蔵之助のスタイルもまた幸せなんだろうな、と。
また、こんな夫婦っぽくない(良い意味で)夫婦も、素敵。
漫画の細かい所に、わかる人にしかわからない小さい小技が効いてるのが、見付けると面白い(笑)
Posted by ブクログ
とにかく絵が可愛い!優しくてホノボノとした柔らかい絵柄で、ボンヤリと表紙絵を眺めているだけでもなごめる上、この表紙を外すと、本体表紙がブラームスの子守唄の楽譜になっていて、ピアノ好きにはたまりません。幼い内に両親と別れることになった梅子は、引き取られた家の息子、蔵之介が弾いてくれるブラームスの子守唄を聴きながら育ち、高校を卒業と同時に2人は結婚…というところから物語は始まります。印象的だったのは、「ピアニストとして世界の第一線で活躍することと、日々の暮らしを家族と穏やかに過ごすことは たいして変わらないことだ」という箇所です。いつかこんな悟りの境地に達してみたいです。ブラームスの子守唄やトロイメライを弾く機会がある方はぜひ読んでみてください。合間、合間に出てくるクラシック小話も面白いのでお見逃しなく。
Posted by ブクログ
たくましい天然幼な妻梅子とヘタレの30男蔵之助、お気楽な幼なじみ夫婦の織り成すまったりとしたお話です。
勝田さんの描かれるダメ男って、なんだってこう可愛くて魅力的なんでしょう。