あらすじ
小さな町工場を二人三脚で世界的な企業に育て上げた本田宗一郎と藤沢武夫。本田宗一郎はその類い希な発想力と技術力で製品の開発に情熱を傾け、藤沢武夫は本田宗一郎が開発に没頭できるよう、経営全般を指揮したことは有名。すべてを知っていれば、いざというとき銀行も正確な判断をしてくれるとの思いから、取引銀行に対して良いことも悪いことも隠さず話した、などのエピソードを交え、自らのことばで本田技研工業について、仕事について、経営についてを語った同名書を復刊。誠心誠意をモットーに、愚直な経営を貫いた経営者は、何を考え、どんな思いで行動してきたのか。100年に一度の不況といわれる現代に、改めて経営とは何かを語りかける。
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Posted by ブクログ
私は、企業と言うものは、リズミカルであり、美的なものでなければならないと常々持っている。企業に芸術がなければ、それは企業にならない。と言うのは、みんなの心に訴えるものは、新しい姿であり、音楽であり、絵であり、芸術的なものである
たとえ小さな松明であろうと、本田は自分で作った松明を、自分の手で掲げて、前の人たちには関係なく好きな道を歩んでいく企業とする
少しこじつけと思われるかもしれないが、経営と仕事とは違う。毎日、経営者が出勤してハンコをしたり、書類を見たりするのは、それは仕事と名づけない
和辻哲郎鎖国 鎖国か開国かの分かれ道が、それからの日本民族のあり方に、どのようなものになったかは、今もって続いている。情の世界の美しさだけでは、世界に伍してはいかれない
重要な事は、いつでもリードしていけるには、どうすれば良いかと言うことですが、これは、刻々と変化する情勢を的確にキャッチして、企業の中に入れ、組織の中でこなして、それを安定させ、次の人にバトンを渡すということです
チャーチル:第二次大戦回顧録
Posted by ブクログ
率直に思ったことは、藤沢武夫なしには本田宗一郎もなかったであろうということ。
本田ー藤沢時代と現在ではビジネス環境が変化しているため、藤沢の考え方がすべて通用する、というわけではない。
しかし、現在だからこそ、耳を傾け実践してみるべきものもある。
「やたらに桑の根っこをひっこ抜いたらだめだ」という言葉は、今こそ必要なことだろう。
Posted by ブクログ
本田の経営層の話。
トップが信念を持っていたからこそ、ホンダの躍進がある。
技術者にしかない発想、販売戦略と商品開発、結果は自然とついて来る。
Posted by ブクログ
本書は1974年の産業能率短期大学出版部『松明は自分の手で』を一部改訂したもの。
・「中央公論」経営問題特集1973年冬季号1974年春季号に連載されたものを主として加筆・訂正したもの
・社内向けと思われる原稿数篇
からなる。
後者が4分の1ほどの文量を占める。
文春文庫にも出ている『経営に終わりはない』
と被る内容も多い。こちらは1986年に出されたもの。
自伝としては『経営に終わりはない』が充実しているが、もっと情報が欲しいという場合はこちらも併せて読むといいだろう。