【感想・ネタバレ】良い値決め 悪い値決め--きちんと儲けるためのプライシング戦略のレビュー

あらすじ

「原価率300%」でも儲かるのはなぜ? フリーで働く人が大手との値段交渉に負けない「秘策」とは? 「50%オフ!」より「3着買うと1着無料!」が儲かる理由は? 「家族間通話無料」のからくりとは?──単なる「値下げ」「値上げ」ではない、新しい「プライシングの常識」を教えます!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

Posted by ブクログ

ネタバレ

・値下げは、競合の値下げを呼ぶ、お客さの参照価格が下がり売れ行きが鈍化、更なる値下げを巻き起こす。市場全体のパイが伸びない中での値下げは、いたずらな消耗にしか繋がらない。

・値下げすることによる「売上額」の変化に捕らわれがちだが、その時の「利益額」にもっと注目すべき。その利益額を伸ばすのに、どれだけの個数増が必用かを熟慮すべき。

・「良いものをより安く」ではなく「良いものはより高く」という本来当たり前な発想転換が必用。良いものをより高く売るための事例を学ぶべき。

・「コストプライシング:コスト+利益=価格」コストがいくらかかるか、から価格を決めて行く考え方。コストが安いのに高い価格をつけるのはいけないという発想になりがち。

・「バリュープライシング:売価-利益=コスト」お客様はいくらなら気前よく払ってもらえるか、から価格を決めていく考え方。

・300円の牛丼を食べた後に、500円のスタバを飲む。価格とはいったい何なんだと思ってしまうような事象だが、これを人は受け入れている。牛丼はコストプライシングで、スタバはバリュープライシング。どちらが利益を出せるかは一目瞭然。

・以下、きちんと儲けるための事例。

・ジレットパターン。カミソリのT字本体は安くしておいて、替刃で利益を稼ぐモデル。

・3個買うと1個タダ!4個をそれぞれ値引きするより、1個を無料とした方が、お客様に対するインパクトが出る。無料とする1個は、変動費原価のみの損失となり、単純に4個を値下げするよりも、コストの持ち出しが少ない場合が多い。

・携帯電話の家族無料通話。家族同士で話す時間は全体の通話量の中で微々たるもの、そこを無料としておいて、他の有料通話でしっかり稼ぐモデル。

・俺のイタリアン。外食の常識は原価率30%、そんな中で「原価率300%」のメニューを『食数限定』しながら目玉として出すことで、驚きを演出。あらゆるメディアが取り上げた結果、大量のパブリシティを獲得。一気に人気店に。

・スイス製のMBTというスニーカー。これをはくだけで歩きながらトレーニングが出来ることが売り。一足3万円程度と高額ながら「世界最小のフィットネスジム」というメッセージとすることで、比較軸を「スニーカー」ではなく「フィットネス」に切り替えることに成功、割安感を演出。ヒット商品に。製品コンセプト、比較軸を変えることで、従来と近い製品群でも高い値段が付けられないかを考えてみる。

・コンタクトレンズを使い捨てに。目に入れるものだから「清潔に」というお客様の心理に合わせた需要創造。従来は3万円程度のものを1回購入させた後は、洗浄液等で僅かな追い銭を稼ぐモデルだったが、毎日使い捨てとすることで、初回購入時点での客単価は大幅ダウンも、中長期の売上は大幅増。使用頻度をどう高められるかを考えてみる。

0
2015年08月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

最近、文庫版が出て、気になっていたので、読んでみた。C2Cのプラットフォームが出て久しく、価格のダイナミズムは昔よりも増している気がしている。
本書は会計事務所の方が書かれているだけあって、管理会計の見地からの値決めの本である。
MP > FやDOGからCATなど、印象に残りそうなフレーズが多かったが、基本的な価格の構造に関する本という印象。
個人的にはもう少し経済学の需給バランスみたいな視点も欲しかったなということもあり、星は3つで。

◾️目次
第1章 売上重視が、会社を不幸にする犯人だった!
第2章 ドッグ(DOG)ビジネスは「無料」に向かう
第3章 値下げが成功する場合、失敗する場合
第4章 そろそろ「値決めの哲学」を持とうじゃないか!
第5章 顧客満足「高」価格をつくる「まぜプラ」
第6章 顧客に心地良いサプライズをつくる「ここプラ」
第7章 トップセールスに学ぶ、比べさせて売る「くらプラ」
第8章 顧客の困りごと、悩み、不満を和らげて2.5倍売る「やわプラ」

0
2019年04月16日

「ビジネス・経済」ランキング