あらすじ
猫と名探偵は珈琲がお好き? 美味しい謎のおかわりいかが――。一杯のコーヒーが事件を招く? 謎解きはペットとともに! 平井瞳が営む喫茶店は家庭的な雰囲気を売りにしてきたが、ある事件をきっかけにペットも入れるように店の改装を決心、名前も一新することに。その名も<動物珈琲店ブレーメン>。店は常連たちが連れてくるペットで大賑わいとなるが、奇妙な事件もいっしょにやってきて……ペットカフェを舞台に、犬も猫も大活躍のユーモアミステリー、開店!
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Posted by ブクログ
地域密着型の喫茶店は、動物立ち寄り可、な店。
1話目が終わってから、ですが。
1話目までは普通の喫茶店で、それからが
ペット同伴、動物オーケーな店になってます。
最初の話で、人間関係や地域の関係が出てきて
2話目3話目と、それらの人がちょこちょこと。
喫茶店の人間が主人公なわけではなく
出てきた人達がちらほらと…という感じです。
そのうち、まったく出てこなかった人が
話の中心になったり。
店は確実に出てきますが。
どこが最初!? と混乱する『家出』話が
面白かったです。
Posted by ブクログ
6編の連作短編集。旅のお供の文庫本として借りる。字も比較的大きくて読みやすい。でもいまいち面白くなかった。ユーモアミステリとあるけど、ミステリ要素があんまりない。2編目についてはただ猫の足跡を追っただけだもんな。あんまり犬も猫も好きじゃないからそんなにはまらなかったのかも。
Posted by ブクログ
独特の奇妙な味わいで、ミステリー界に孤高のポジションを築く作家、蒼井上鷹(築いているのか?)。文庫で届けられた新刊は、どこかで見たような装丁。この方もとうとう、そういう路線に手を出したのかと思って読み始めると…。
いやあ、やっぱり蒼井上鷹は蒼井上鷹でした。『動物喫茶店ブレーメンの事件簿』と題されているが、カバーイラストのような美人の探偵役がいるかといえば…そもそも探偵役がいない。ブレーメンという店の存在も薄い。背景の一部というか、何というか…。
最初の「犬が電話をかけてきた」だけは、事件簿っぽい内容である。事件の内容はちっとも笑えないし、犯人の思考回路に色々突っ込みたくなるが、それでも無理矢理伏線を回収している辺りは、この方らしい味わいと言っておきましょう。
「この猫の名前はいくつある?」。どいつもこいつも、怪しい話に引っかかるかよと呆れてくるが、現実にこの手の詐欺は枚挙に暇がない。「宗像さんの福の神」。骨董の世界は魑魅魍魎が跋扈する。素人が欲を出したばかりに、無駄に混乱したという話…か?
「ノラが家出するわけがない」。こういうネタは、誰に書かせても受け付けない。蒼井上鷹の手腕をもってしてもだめでした、はい。「幕を引くには早すぎる」。何でそんなイベントやるんだとか、こんなにこじれる前にどうにかならかったのかとか、いくらでも突っ込めるが、早合点のようで早合点ではなかったってか。何だそりゃ…。
「猫は秘密を嗅ぎつける」。あるカップルが誤解に誤解を重ね…とだけ書いておくか。最後らしい大団円があるわけでもなく、今回も微妙な読後感が残ったのだった。
そもそも、普通にミステリーを楽しみたい読者にはお薦めしにくい蒼井作品だが、本作に至っては、街の日常を描いているような乗りで、もはや何が論点か、誰が主人公かすら曖昧である。短編なのにやたら込み入っているのは相変わらずだし。
それでも蒼井上鷹に興味を持ったというあなたには、『4ページスミテリー』辺りをお薦めしましょう。蒼井さんにはある種の才能があると、僕は確信しているが、その才能が広く理解される日は、おそらく来ないだろうなあ。
Posted by ブクログ
ほのぼのした日常系ミステリかと思いきや、なかなかどろどろした人間の話だった。
なお死体は出てこない。
癌の匂いを感知する犬の太郎丸が出てくる「幕を引くには早すぎる」が好き。