あらすじ
『人形のようでいて、人間で。女性のようでいて、男性で。光のようでいて、陰で…』。アジアを始め世界でも有名な美貌の風水師・劉は、建築家・遠藤翔太の将来をたったひと言で大きく変えてしまった。劉の口から出た「ノー」のひと言で、人生を賭けた一大プロジェクトが潰されたのだ。以来。劉を恨むように経験を積んだ遠藤は、必死に伝を探し、劉との再会を果たすが、その時の劉は、ある男に囚われの身になっていた。劉を取り巻く危険な計画に巻き込まれた遠藤は、妖しい色香を纏う風水師とふたり、男の屋敷に監禁され……。
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Posted by ブクログ
建築家・遠藤翔太の人生はたった一人の一言で変わってしまった。
日本で活躍の場に恵まれなかった翔太が海を渡ってようやく漕ぎ着けたビッグプロジェクト。
準備に準備を重ねた上で、ようやく採用へと至ったのにも関わらず、後から出てきたその男の「ノー」のその一言でプロジェクト自体がなくなってしまった。
遠藤はその男・劉に再び会うことを目的に経験を積む。
実は劉は世界でも高名な風水師であり、遠藤はそのなかなか会うことも難しいその男に、必死の伝手を辿り、再会を果たす。
ところが再会した劉は何者かに狙われており、いきなり踏み込んで来た男たちを前に、劉のその長い髪を生かして、情事の最中の男女を演じることになってしまう。
どうにかその場はやり過ごせたものの、思いがけなく快感を覚えてしまった遠藤はそのまま劉にいかされてしまう。
次に劉と再会した時には、遠藤は劉と二人、囚われの人となってしまった。
遠藤は二人を捕えた相手に、何とか劉にこの仕事を受けるように説得するように頼まれるけれど……
という話でした。
遠藤はたった一言、劉の言った言葉に人生を変えられてしまい、その後は劉を追いかけるようにして日々を送る。
けれど、ようやく掴んだチャンスにとんでもないトラブルに巻き込まれてしまう、という感じで話は進んでいきます。
劉は最初、遠藤のことなんて何とも思ってなかったはずなんですが、変なところで度胸があって、意外と頭のキレるところが気に入ったんだろうな……という推測が成り立つんですが。
実はこの話、他のこの作者さんが書いた話と微妙にリンクしていて、そこにちょろちょろ出てきた人たちと絡みながらの陰謀話に力が入っていて、肝心の遠藤と劉との関係は会ったらやって、もう一回再会したら更にやって、との繰り返しでいつの間に劉が遠藤のことを好きだったのか、いつの間に執着が恋心に変わったのか、その辺りがぼんやりしか描けてなくてよくわかりませんでした。
この本だけ読んでも楽しめなくもないですが、個人的には関連する本をしっかりと読み込んでから読んだ方が裏の人間関係までわかって面白いと思います。