あらすじ
生まれつき人の“心の声”が聞こえるカンナは、ずっと誰かの役に立ちたいと思っていた。 ある町で心の中まで寡黙な男・ガクタと出会う。 大怪我を負っていた彼が洩らす『痛い』という心の声を放っておけず、世話を焼くカンナ。 最初は鬱陶しそうだったガクタもそれを受け入れ始める。 だが彼がヤクザだと知っても変わらないカンナの態度に、 下心があると誤解したガクタが手を伸ばしてきて……? 大人気シリーズ第3弾!!【※本作品はブラウザビューアで閲覧すると表組みのレイアウトが崩れて表示されることがあります。予めご了承下さい。】
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Posted by ブクログ
言ノ葉シリーズ三作目。
私は一作目が大好きなのですが、二作目も中々に萌えました。
で、ここにきての三作目は、母親も聞こえる側だったサラブレットな健気受です。
相手は心をからっぽにしてることの多い、寡黙なヤクザ攻。
正直なところ、萌えたかというとそうでもなく。
でも楽しくなかったかといえばそうでもなく。
読み物としては面白かったのですが、脇役のシュウとカズヨの方が気になってしまい、本編上滑りしてました……。
毎回リンクさせてくれるのは嬉しいんだけど、存在感ありすぎて(笑)
そして何故に萌えなかったのかというと、受が良い子すぎるのが駄目だったのかもしれません。
亡くなった母の言葉を大切に、心の声が聞こえることで誰かの役に立ちたい、と一生懸命な子は凄くかわいらしかったです。
でも、この一生懸命が作中でも結構空回りしてて、それがなんともこう……善意の押しつけのように感じてしまってですね。
おまけに攻の養父であるヤクザの親玉から攻を救い出すシーンも、何とも言えないご都合主義というか。
極道がそんな甘いわけないない!! みたいに捻くれてしまい、いまいち乗り切れなかったです。
とはいえ、後半からの展開は結構楽しく読めました。
ともすれば博愛主義のように見えてた受(誰にでもよくしたい的な)が、困ってる人を見捨ててでも攻を助けたいと衝動的に行動するところなんかは、そうそうこういう本能的なのが読みたかったのよ~、と。
最後にシュウとカズヨの幸せそうな姿も見ることが出来てほっとしました。
物語の痛さレベルで言えば、シリーズ中でも最も痛みレベルは高いと思いますが、際だった切なさは今回は見られませんでした。
ちょっと受に感情移入しにくいのが原因だったかと思います。
この作品単体で読んでも大丈夫ですが、出来れば1作目から追っていって欲しいシリーズです。