あらすじ
答えは、おとぎばなしに隠れている――倉敷を舞台におくる、ほっこりあやかし譚。父が海外勤務となり、高校生の零次は倉敷へやって来た。亡き母が営んでいたカフェを長兄・神が引き継ぎ、これからは兄弟――医大生の次兄・悠貴、双子の弟妹・尊と彩佳、そして自分の五人で暮らすのだ。お向かいの『枳殻(からたち)童話専門店』の店主・九十九は優しげな美青年だが、神と確執があるらしい。ある雨の夜、『枳殻童話専門店』へ入っていく謎の客を目撃した零次だが…?
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Posted by ブクログ
父の単身赴任を期に、亡き母の残したカフェを長兄が継ぐため兄弟五人で移り住んだ先で起こる不思議なお話。お向かいにある「童話専門店」はあやかしも童話本を読みに来るような店で、店主は長兄の幼なじみで天然。五人兄弟とはあやかし絡みで関わることに。物語は童話を中心に展開していき、ほっこり暖かく、最後には救いがあるのがいい。五人兄弟という設定が面白く、幼なじみの二人と兄弟それぞれの距離感がとても良い。この作品は、登場人物や状況の紹介のような位置づけだと思うので、次作があるのかな。ぜひ続きを読んでみたい。
Posted by ブクログ
ほっこりする、優しい話。
設定も複雑じゃないので、読書の気分じゃなくても
さらりと読めてしまう。
イケメン揃いだけれど、性格が見事に違うし、見かけ
だけじゃない魅力を感じる。
ほっこりさんと神の会話が面白い。
あやかしたちも個性的でいい。
妹の読み終わった本の中からもらってきた一冊。
この機会じゃなければきっと出会ってなかった本。
Posted by ブクログ
倉敷にある枳殻童話専門店には夜な夜なあやかしが集まっていて…
あやかしと人との繋がりを童話を介して描く。気持ちがすれ違う悲しみもありながら、ほっこりとおさめる展開が心地よい。
あやかしはマイノリティの暗喩と見るのは、うがち過ぎだろうか。
Posted by ブクログ
父が海外転勤になり、ちょうどいいからと亡き母が
住んでいた所へと引っ越してきた5人兄弟。
主人公は3男なのですが、主人公に相応しい主人公です。
しっかりした長男、皮肉屋で顔のいい次男
下の弟妹は双子、という、挟まれた状態。
お向かいの童話屋が題名となっていますが
そこには実は…という、話の要が。
確かにそんな状態があれば、長男は幼馴染(?)である
向かいの男を警戒しまくるでしょう。
それを、まぁいいじゃん、で終わらせる主人公もすごい。
母親がどうして離婚したのか、という謎も解け
童話屋の常連の好きな相手の謎も解けて。
ちょっぴりしんみりしてしまう内容でしたが
お向かいさんは、どこまでもお向かいさん…(笑)