あらすじ
意識革命で人は劇的に成長できる
元全日本プレーヤーのスポーツ心理学者が解き明かす
メンタルと技術の向上の秘密!
テニスの競技人口は1億人を超えると言われています。このメジャースポーツで日本人が世界ランキングの5位にまで上り詰めるとは、数年前までは想像すらできない出来事でした。錦織圭が成し遂げた成果は日本スポーツ史において歴史的快挙です。
テニスというスポーツは身体が小さい選手にはハンデが生じます。例えば2012年シーズンのトップ50のうち180センチ未満の選手は錦織とダビド・フェレールたった二人でした。
そんな身体的なハンデがありながらも、抜群のテニスセンスで錦織は世界のトップと伍してきましたが、どうしても世界のトップ10という壁を超えられませんでした。そこで錦織は決断したのです。自分のテニスに足りない部分を補ってくれるコーチを招聘することを。
マイケル・チャンは175センチの身体で過去にグランドスラムを制し、世界ランキング2位まで上り詰めた名選手です。チャンは自らの身体的なハンデを、激しい闘争心と強靱なメンタル、そして奥深い戦略性によって克服しました。
同じ特徴を持つ東洋系のプレーヤーである錦織にとって、彼ほど相応しいコーチはいなかったでしょう。
チャンはコーチに就任するや、徹底的は練習と激しい指導で錦織のテニスに変革をうながします。錦織の快進撃はもちろん、彼自身の努力の賜ですが、短期間でここまで成績が伸びたのは、チャンの指導力に要因があったのです。
チャンは錦織に対し、技術の基本を固め、体力をアップし、戦略性を加え、そのメンタルを鍛えました。錦織の才能を目一杯開花させたのです。
チャンが最も変えたのは錦織の意識です。考え方を変えれば人はこれだけ短期間に成果を残せるのです。こういった指導法を紐解くことは、トップアスリートではない一般の読者にとっても教訓に満ちたものであるはずです。人は意識を変えれば劇的に成長できるのです。
本書では、錦織選手の強さはどこにあるのか、そしてマイケル・チャンはどのような思考を植え付けたのか、二人の言葉をスポーツ心理学によって分析し、その真意を説き明かします。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
-2015/9/5
勝てない相手はもういないと思います。
「自己イメージ」が一流と二流を隔てている
アフォーダンス理論
優勝するのはお前じゃない、俺だ、と言う強い気持ちがなければ戦う前に負けている。過去の実績なんて、目の前の試合には関係ない
スコアじゃない、全てのポイントに意味がある
何で練習場に1時間前に来るんだ。2時間前に来てストレッチの時間を倍にしろ
恵まれない環境や能力不足は、自分で考えることで(創造性)で克服できる
2014年、錦織はいくつかの具体的な目標を立てた。TOP10入り、グランドスラムのBest4。目標を明確にした事で、そこへの道筋も見えて来た
ノートに記録する習慣をつける
悩んで解決する悩みと、悩んでも解決しない悩みがある。例えば、ベストを尽くすと言う、自分でコントロールできることに集中する
夢は世界チャンピオンになること
テニスをすることに生きているという理由がありそこから快感が生まれてくる
一意専心こそ成功者の共通点
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練習以上の成果は、試合ではでない
闘志をもって戦うことが自分にとって一番大切なこと•••試合で心掛けていることを聞かれて
子供の頃、試合に勝つことが快感で、楽しくて仕方ありませんでした。強くなるにつれて、打てるショット、できるプレーが増えて、楽しみが増えて行く。そういう気持ちを忘れないことが大切だと思います
自分でいつも大事にしているのは、まずテニスを楽しみたいと言うこと。
勝つと思い込むことが、重要になると思います
勝つことが全てではない、勝つ決意をすることが全てなのだ
Posted by ブクログ
考え方を変えれば、人はこれだけ短期間に飛躍できる!!
それを実戦で示してきた錦織圭とマイケル・チャン。
テニスは特にメンタルが勝敗を分けることは充分理解しているんだけど…
このメンタルのコントロールが本当に難しくて嫌になる。
ただ2人の軌跡から感じたのは、「高い目標設定」と「ブレない努力」、そして「お互いの信頼」
そこから生まれた言葉が、
「勝てない相手はもういない」
錦織圭のように、「もっと凄い自分にめぐり会う」という、高いレベルの自己イメージを描き続けたい!
さあ、まずは新しい目標設定から始めなきゃ!
Posted by ブクログ
少し前だが、あのイチロー選手が引退した。
引退会見を見ていた時、言葉の一つ一つに重みを感じると同時に、考え方が私の仕事にも通ずる部分があると感じた。
仕事もスポーツもうまくいくには共通した考え方があるのではないかと感じ、スポーツ選手について書かれている本の中から、テニスプレイヤーの「錦織圭」選手についての本を見つけ、読んでみた。
みなさんご存知かと思うが、錦織選手はプロテニスプレイヤーとして、世界ランク最高4位というトッププロとして現在も活躍している。
この本は、錦織選手のコーチをしている「マイケル・チャン」コーチと錦織選手のやり取りやインタビューに関して書かれている。
錦織選手は最初、違うコーチに教わっていて伸び悩んでいたが、マイケル・チャンをコーチにしてから飛躍的に活躍してきた。
読み進めていくうちに、大切なことは自分に対するセルフイメージだと感じた。
「絶対に勝てる」という気持ちや、「自分ならできる」という気持ちなど、メンタル面を鍛えることが大切だと書かれている。
気合や根性などは精神論じゃないかと馬鹿にしていた部分もあるが、このことが重要なのだと気づかされた。
スポーツだけではなく、仕事においても、あきらめず、継続していくことが大切だと感じた。
普通の人があきらめてしまう場面でも、継続していけば、何かしらの結果や成長があるのではないか。
また、錦織選手に座右の銘を聞いたインタビューでは、「一生燃焼」と書かれていた。(座右の銘はないが、いいなと思った言葉と書かれている。)
死ぬまで燃えるものを見つけて死ぬまでやるという、錦織選手の覚悟が伝わってきた。
ここまで決めたら、テニスで負けた時に「逃げ出そう」という考えではなく、どうやったらもっとうまくなるかを考えることにつながるのではないだろうか。
そういう前向きな考え方を見習い、自分の仕事にも活かしていきたい。
Posted by ブクログ
1989年12月29日島根県松江市生まれ。2007年プロ転向、2008年2月にデルレービーチ国際(米)でジェームス・ブレーク(米)を破り優勝。 2012・2013年に各優勝一回、2014年9月全米オープン準優勝。2014・2015年は優勝三回。ダブルス160位。錦織の躍進にチャンが貢献しているのは間違いない。第3章までチャンと錦織の人となりが理解できて非常に興味深い。