あらすじ
妖怪の類がまったく見えない霊力ゼロの少女・鹿の子。そんな彼女が嫁ぐことになったのは名のある陰陽師家だった――! 側室に不相応と御寝所から追い出されていきついた先は「かまど」。毎日ススだらけになりながら、神様の御饌づくり。つまみ食いに来た人の心も神様の心も、あまいあまい砂糖でほだされてゆく……。
...続きを読む感情タグBEST3
このページにはネタバレを含むレビューが表示されています
Posted by ブクログ
一度栞を落としてしまい、もう一度読み返していますが、やっぱり面白いです。
作中では、作者の紫はななさんが歴史小説を進んで読む、とおっしゃっていたように、文章にところどころ古風な言い回しが紛れています。読んでいて楽しいです。
また、話初めに御饌の作り方があったり、登場人物がお菓子を食べた時の感想であったり、目にも楽しく頭にも楽しい、読んでいると途端に和菓子が欲しくなってしまうような、そんな作品です。何と言いますか、淡い甘さがあって文章もすっきりとして見え、お話自体がまるで、作品舞台の山の上にるような澄んだ静けさを感じます。
和菓子が好きな方、逆に少し苦手、という方、軽い歴史恋愛小説を読みたい方、妖怪ものが好きな方、陰陽が好きな方におすすめできる作品です。
Posted by ブクログ
陰陽師家の側室として嫁いできた鹿の子。しかし鹿の子は妖が見えず、霊力もなし。側室に不相応と、翌日からかまどの見張り番。ひたすら菓子を作り続ける鹿の子の周りに甘いもの好きの妖したちが現れて。
小さなお団子を結って、粗末な着物の鹿の子。
来る日も来る日も御饌菓子を作り続けているうちに、鹿の子の周りが騒々しくなっていく。
なんで彼女がこんな目に、と痛々しく思いつつも、ひたすらお菓子を作り続ける鹿の子をみてると、こちらまで妖の視線に。
鹿の子のお菓子の秘密とは。