あらすじ
声楽を学ぶため、モスクワを訪れている留学生の相澤和沙は、歌うことの重圧から、声楽家としての将来に行き詰まりを感じていた。そんなある日、想いを寄せる音楽教師・セルゲイの亡命に協力したとして、和沙はスパイ容疑でKGBに囚われてしまう。怜悧な眸をしたKGBの中佐・マクシムに厳しく尋問されるが、沈黙し続けた和沙は、屈辱的な拷問を受けることに。それは官能的な美貌ゆえ、セルゲイとの肉体関係を疑うマクシムによる激しい陵辱で――。 【おことわり】電子書籍版には、紙版に収録されている口絵・挿絵は収録されていません。イラストは表紙のみの収録となります。ご了承ください。
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ベルリンの壁崩壊前夜のソ連が舞台の物語。KGBにスパイ容疑で拘束監禁尋問暴行凌辱される受けくんと、それをする攻めくん。容易にストックホルム症候群とかリマ症候群とかの発想が出てしまうのですが、なかなかどうして受けくんが墜ちないです。攻めくんは自覚が無かっただけで割とすぐに陥落していたように思います。
えちは多いです。もう少し微に入り細を穿つくらいの濃厚さも欲しいと思いましたが、今から20年程前の作品だとこのくらいの濃さかもしれません。
Posted by ブクログ
東西冷戦末期、ベルリンの壁崩壊前夜のお話です。
命がけで相手を想う、切なくも痛々しい恋物語。
モスクワに留学した和沙がスパイ容疑で逮捕され
監獄で過酷な尋問に合うシリアスなお話ですが
文中の情景描写にからめての心理描写が素晴らしく
魂を揺さぶられます。
囚人と拷問吏といういびつな関係から、いかに
相手を愛するようになっていくかという過程が
心に重く響いてきます。
歴史物、シリアスにどっぷり浸りたい方に
是非ともお勧めします。