あらすじ
吸血鬼や人狼らと人類が共存し、お屋敷でメカ使用人が働く19世紀の英国。レディのためのスパイ養成学校で学ぶソフロニア・テミニック嬢は、兄の婚約を祝う仮面舞踏会のさなか学友の苦境を知る。友人を助けなくては! ところがそのために、ソフロニアは人狼・吸血鬼・空賊の三つどもえの大騒動に巻き込まれてしまうことに。恋に密偵戦におてんば少女が大活躍。歴史情緒とユーモアたっぷりのスチームパンク冒険譚第三弾!
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Posted by ブクログ
無邪気な(?)少女時代も徐々に終わりに近づきつつあることを強く印象づけた展開だった。
パラソル奇譚へ続く要素もちらほら散見され、ファンとしてはうれしいような、物悲しいような複雑な気分。
みんな入学したての頃とは、別人のような成長を見せ、立派なスパイ誕生もあと一息というところか。
Posted by ブクログ
裏で動いてる事件が…というかキャラが気になる…っ
シド、若干矛盾が発生している?それとも思い出改竄かな。
ビエーヴの話でなんか変だなと思うのが変装の髭。子供で髭っておかしくないのか??と今さら気になる…
次で最終巻とは。だんだんワールド回りが寂しくなってるし、最後盛り上がるといいなぁ~。
それにつけてもプルーデンスのシリーズ楽しみっ!
Posted by ブクログ
花嫁学校といえば、なんとなく、見下す風潮があると思う。「(上流の)お気楽な」「ガリガリ勉強しなくてもいい」とかそんなイメージ。お嬢さんばっかりで和気藹々、お料理とかお裁縫して、お作法習って、卒業と同時に婚約。みたいな。
ところがこの花嫁学校だけは大違いで、なんと実はスパイ学校(しかも校長はそれを知らない)という素敵なギャップが用意されている。もうこの設定からして、面白くないわけがない。この作者はほんとに天才だと思う。
そんな学校があるのは、吸血鬼と人狼という二大異界族が勢力を持っている並行世界で、さらにもうひとつ、ピクルマンという反異界族で機械スキーな、つまりマッドサイエンティスト的な一派が勢力を張っている。スチームパンクの世界でもある。一作で二度美味しい!
今回は蒸気機関といえばこれ、列車をソフロニアたちが乗っ取って、大騒動が起こるんだけど、きっかけとなる事件はパラソル奇譚のキー要素でもあった、キングエア団の陰謀ということになっている。なので、実はパラソル奇譚から読んでいる読者には三度おいしいというもうね、こたえられない構成です。
ソフロニア自身、そろそろフェリックスとソープの間で心を決めなくては、でも決められない悩ましい状態で物語が進む。
事件もさることながら、この三角関係や、仲間それぞれの行く道が見えてくるなど、わくわく要素がたくさんある。
欲を言えば、学校そのものはあまり今回出てこないのがちょっと残念。やはり、お嬢さん学校らしい課目のなかでそれをスパイ活動に使うやり方を習うというのが見ていて面白いので、それがもうちょっと欲しかった。