あらすじ
『7つの習慣』から16年、スティーブン・R・コヴィー博士の新刊です。この『第3の案 成功者の選択』は『7つの習慣』における第6の習慣「相乗効果を発揮する」を、数多くの事例を用いながら、より広くより深く探求するという内容です。コヴィー博士は『7つの習慣』の中で、「今まで話してきたすべての習慣は、相乗効果の奇跡をつくり出す準備にすぎない」と書いていますが、博士は『第3の案』で、この相乗効果の原則こそが、個人的な問題、家族の問題、職場の問題、社会の問題、だけでなく国家の問題をも解決する奇跡の方法であると述べています。ますます強くなるプレッシャーの中で人々がいがみ合う21世紀を、コヴィー博士は「個人の悪意の世紀」と定義していますが、この「第3の案を選択し相乗効果を発揮する」ことこそ、あなたの人生を、そして世界全体を変えられるとも著しています。「第3の案」とは、元来人と人はどちらが勝つかという敵対するものではなく、心からの相互理解と協力によって、素晴らしき第3の案を得ることができるという、人が持つ可能性を追求するものです。それはビジネスや家族、人間関係にとどまらず、社会、そして国家間の関係においても画期的な成果をもたらすものです。 私たちのビジネスにおいても、「既得権の保護か新規ビジネスへの挑戦か」「売上拡大か経費削減か」など、二者択一の論議ばかりです。こうした議論がいかに不毛であるか、コヴィー博士は見事に実証し、「第3の案」の必要性を説き明かしてくれました。私たちがめざしていることは、ビジネスの世界だけではなく、家庭、学校、社会、さらに国家間においても、お互いが発展することです。つまり、利害対立に勝つのではなく、双方が満足する解決策を見いだすことが私たちに求められているのです。
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Posted by ブクログ
スティーブン・R・コヴィー博士の著書です。
世界中(家庭から国)、大小含めいたるところで発生している人々の対立があります。
お互いの主張を声高に言い合うだけでは決して解決することなく、Win-Loseの関係になってしまいます。
だからといって妥協することはもっと悪く、Lose-Loseの関係になってしまいます。
第3の案とは、両者がWin-Winとなれる新たな案です。
この第3の案を構築するためにはどうすれば良いのかが書かれています。
自分を冷静に顧みる→相手を人として見る→相手の考えを傾聴する→シナジー(相乗効果)で新たな案を構築する
というのが、全体の流れです。
特に重要なのが、「相手の考えを傾聴する」ところです。
第8の習慣のレビューでも触れましたが、トーキングスティック・コミュニケーションがツールとして大きな役割を果たしています。
トーキングスティック・コミュニケーションとは、スティックを持った人が理解されたと思うまで、それ以外の人は感情移入して聴くというルールで行われるコミュニケーションです。
この方法は、使えると改めて思いました。
最近では、イラン-米国、トランプ大統領-グレタさんなどの対立がありましたが、こういった問題も二者択一の発想ではなく、第3の案を構築する形で解決していければ良いですね。
Posted by ブクログ
「U理論」「ワールドカフェ」等につながる考え方だと理解しました。領土問題が深刻化している今、本書が多くの人に読まれることを願います。識者の耳触りの良い意見の前で思考停止することなく、また、一見勇ましい「反応的な」行動を控え、根本的な解決に向けた対話の道を探りたい。
Posted by ブクログ
すごく内容が濃い本だった。
正しいのは貴方か私かの二者択一でお互いが自分が正しいと思ったときどうするか? だれでもこの状況になったことがあると思う。
夫婦間・友達との間・隣人との間など色々な関係で起こるこの状況で,喧嘩別れになるかどちらかが我慢するか,お互いに我慢しあうかになることが多いと思う。
そんな時もっと良い方法を探すという「第3の案」
すばらしいと思った。
Posted by ブクログ
これは、商談などで実践しています。
7つの習慣は内的実践ですが、これは外的実践法ですね。
しかし、3冊含めてこのシリーズは常に読み続けないといけない
Posted by ブクログ
7つの習慣を読んで強烈に人生が変わったため、今回も絶対にいい本に違いないと思い購入。
予感のとおり。
数年に1度の大ヒット!
トーキングスティックのコミュニケーションの重要性を本当にさまざまな具体例を挙げながら説明しているので、非常に納得感がある。
また、著者自身もよく失敗しているとか、簡単なことではない、と言っていることが真実味を増している。
敵を許すか許さないかは選択できるという発想もすごい。
自分に対する攻撃は、攻撃と受け止めるかどうかも選択できる。
まずは相手の話を共感をもってきく。
ただおうむ返しでもいいから、自分の意見をはさまずにひたすらきく。
相手が理解されたと感じるまでひたすら聞き続ける。
確かにこれは難しいが、効果も絶大であろう。
思えば日本をつくる政治家たちも、ずっと二者択一的に対立を続けている。
テレビでマスコミが中国で汚泥から油を作っていると聞けば我々は、「中国人はまったく・・」
とひとくくりで見てしまう。
そういった考えからでは確かに生産的なものは生まれない。
考えが異なることが感謝できるように。
まずはつい聞き流してしまう妻の話をよく聞くことからだな。
Posted by ブクログ
「7つの習慣」にご縁あって始めて触れて以来早4年になろうかというタイミングで本書に出会った。
コヴィー博士に「しっかりやっとるか?しっかり聴いとるか」と激励いただいた気持ちにさせてもらえる。彼はやり続けている、本書にいうクレッシェンドな人生を実践している。
「7つの習慣」で学んだ方法論をライフワークとして昇華して行くケーススタディーを中心に本書は展開される。
自分の仕事を事業創造に繋げることを求められている私としては、多くの例示を通じて(特に第六章)シナジストであり、ピースメーカーでなければならない、というミッションを本書に明らかにしてもらえたと感じました。日常とミッションを繋いでくれるマストな一冊です。
Posted by ブクログ
7つの習慣で有名な著書の新刊です。7つの習慣同様、著書も必読の一冊です。著書は70歳を超えているので、もはや新刊は出ないかなと思っていましたが、新刊が出て驚き、実際に読んでみて再び驚き、あまりの大作に圧倒されました。勝つか負けるかではない第3の案をキーワードにして、仕事や家庭、社会に至る世の中のあらゆる物事において解説してくれます。
7つの習慣を先月再読したきっかけのひとつが著書です。新刊を読む前に、7つの習慣を再読しようと思い、ブログにも書評をまとめました。7つの習慣を再読して初めて気付いたことがあり、実は7つの習慣の中でも第3の案というキーワードが出てきていました。以前から著者は第3の案という考えを持っていたことが分かります。7つの習慣では、数行触れているだけで詳細な説明はしてありません。その第3の案という考えを500ページに渡って説明しているのが著書になります。
著書の構成としては、まず第3の案という考えについて解説をしています。その後の章で、職場、家庭、学校、法律、社会、世界、人生とあらゆる対象に第3の案の考えを適用して、読者に第3の案の凄さを語りかけています。著書の内容が非常に充実しているので、7つの習慣同様、何回かにわけて書評をまとめようと思います。
7つの習慣との関係について、まず説明しておきます。著書と7つの習慣は補完関係にあると思います。7つの習慣は自分自身の問題、他者との関係の両方について解説していましたが、どちらかと言うと自分自身の問題に重きを置いた内容となっています。一方、第3の案は、他者との関係に特化した内容となっているので、理想的には2冊両方読む方が好ましいかもしれません。
早速、著書の解説です。1章はプロローグであり、本格的なスタートは2章からになります。2章で第3の案の説明を100ページに渡って解説しています。3章以降は各論なので、2章だけ読めば、著書の概略はまずはつかめると思います。
第3の案とは何か、著書では冒頭にこう説明されています。
私たちが直面する最も厳しい問題、とても解決できそうにない問題も解決できる方法がある。人生のあらゆるジレンマや根深い分裂を突き抜ける道がある。前に進む道がある。それはあなたのやり方でも、私のやり方でもない。それらを超えるやり方である。これまでだれも一人として思ったこともないほど効果的な方法である。私はその方法を「第3の案」と名づけている。
私の案、あなたの案のどちらかの2者択一ではない全く別の案、すなわち私たちの案が劇的に物事を解決してくれる、著書ではそのように説明されています。
第3の案を探すパラダイムは次のようになります。
①私は自分を見る
②私はあなたを見る
③私はあなたの考えを求める
④私はあなたとシナジーを起こす
このパラダイムは、第3章以降の各論でもたびたび登場します。第3の案を導くために、このパラダイムを用いて考えることができます。
このパラダイムで重要でかつ最も困難なのは、①と②だと思います。自分と相手の利害を考えず、身にまとっていた肩書き、固定観念、習慣、過去の伝統を全て取っ払って、ゼロベースで自分と向き合い、相手と向き合うことです。言わば、自分自身のアイデンティティーを全否定することになりかねないので、困難がつきまといます。しかし、そこまでさらけ出さないと、相手も親身になって心を開いて話をしてくれません。
そのハードルさえクリアすれば、あとは輝かしい道が開けます。お互い腹を割った状態で相手に意見を求め、これまで思いつかなかったようなアイデアが浮かび、2者択一では成し得なかった素晴らしい案が創造されます。
続いて、第3章です。
目次
第1章 転換点
第2章 第3の案:シナジーの原則、パラダイム、プロセス
第3章 職場での第3の案
第4章 家庭での第3の案
第5章 学校での第3の案
第6章 第3の案と法律
第7章 社会における第3の案
第8章 世界における第3の案
第9章 第3の案の人生
第10章 インサイド・アウト—内から外へ
Posted by ブクログ
ある方に奨められて読んだ。
私が感心したのは、家族の第3の案のところである。
これまでは、二者択一の考えに陥り、自分か、嫁か、どちらが正しいかで争っていたのだが、これが一気に改善。
びっくりした
第3の案を考えたのではなく、二者択一の考えをやめただけでスムーズになったのである。
私にとっては、それだけで十分ありがたかった。
Posted by ブクログ
7つの習慣の類書。家族に関する記述も多く、考えさせられた。第3の案を考えるにあたって重要な4つのパラダイムとその順序を学び、トーキングスティックの技法を早速友人と話す際に用いてみたところ、相手と会話が重なることが減った。
この本から得られた内容はこれからも意識し続けたいし、折にふれ読み返したいと思う一冊。
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自分の案を通して、Win-Loseにしたり、他者の案を受け容れて、Lose-Winにするのはなく、第3の案によりシナジーを生み出すWin-Winこそが重要。
まずは、相手を理解するために、感情移入による傾聴をしっかりとする。相手が十分に話し終えたというまでは、自分の意見を言わない。
ぱっとみ、簡単に思えるが、これは結構難しい。ついつい自分の意見を言ってしまう。
仕事でも、家庭でもこの第3の案を常に探すことを意識しよう。
Posted by ブクログ
第3の案とは、要は止揚(アウフヘーベン)のこと。つまり、合い対峙する2つの事象をより高次の1事象に統べることにより、不要な対立を避け、重要な結果を導き出すことである。これの実践方法をこと細かく、また事例付き解説でするのが本書である。 Win-Loseにも、Lose-Winにも、Lose-Loseにもならずに、Win-Winとなる第3の案を探すことができれば素敵だと思わないだろうか? もし、そうしたいのなら本書を読むべきだろう。役に立たない理想論とは一線を画し、本書は本物である。というもの、どうしても第3の案が見つからない相手がいることを認め、その場合はノーディールを選択肢としているから。また、当然ながら、この作者が7つの習慣のコヴィーであることも見逃せない。ビジネス・パーソンならずとも、必読の書といえる。
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・目的を定義すること
「対立を問題ではなく、機会としてとらえること」
・シナジーに到達する4つのステップ
①あなたも私も考えたことのない効果的な解決策を探してみないかと問いかける。
②よりよいアイデアはどのようなものだと思う?と質問する。それによりすべきことの明確なビジョンができ、全員が満足できる結果であるかどうかを評価する基準-両社の要求を上回る基準-が定まる
③基準を満たす解決策を件とし始める。自分たちのアイデアを正反対にしてみたりする。極端な可能性を検討できるかどうかがシナジーの成功の鍵を握っている。
④興奮状態になれば、シナジーに到達している。
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「7つの習慣」の著者の最新刊。根底にある基本的な考え方は「7つの…」と同じであるが、本書は特に「第4」から「第6」までの3つ習慣をより深め、対立する相手とともに「Win-Win」や「相乗効果(シナジー)」を追求することが、最終的には「二者択一」のジレンマを超えた「第3の案」を生み出すとして、そのためのパラダイムと手法を提示する。
著者は、何らかの対立が起こっている場合、それが家庭であれ、職場であれ、或いは国際紛争であっても、対立する双方の陣営が、お互いにしっかりと自省するとともに、他方に対して心を開いて傾聴し、真に理解し合えば、勝ち負け(Win-Lose)でも妥協(Lose-Lose)でもなく、より良い結論に至る道が開けると説く。
著者の主張を理想論として片付けるのは簡単だが、本書には、著者自身を含め、世界の様々なレベルにおいて「第3の案」を実践している有名無名な人々の物語が数多く収録されており、安易な妥協や近視眼的な勝ち負けの議論が蔓延する今日の社会でも、自分のマインド次第で「第3の案」を生み出すことは可能であると気づかせてくれる。
Posted by ブクログ
やるかやらないか、AかBかという二項対立の問題から第3の案へ至るための方法・考え方について、本当に数多くの事例を交えて紹介した本。
なかなか本質的で素晴らしかった。ただ、時間の関係もあり、飛ばし読みとなってしまっているので、また時間があるときに熟読したい一冊。
<メモ>
・第3の案を探すパラダイム 自分自身を見る→相手を見る→相手の考えを求める→相手とシナジーを起こす。
①自己認識 自分の思いこみを明らかにする。他者に対して誠実になる準備ができる
②無条件の肯定的関心 相手を一人の人間として尊重する。
③共感的理解 相手の考え方の根本までいき、真に理解すること。
・SeeDoGet 物事をどう見るかが、行動をきめ、結果が決まる
・自分自身を見つめると自分の文化的傾向がわかる。自分は限界があるが同時に無限界であるという創造的なパラドックスに気付く。
・視点 自分の文化的なプログラミングは考え方にどう影響を与えているか 本当の動機は何か 前提は正しいか 前提のどこがどう不完全なのか 本当に臨む結果に貢献しているか
・真実の断片を多く持っているほど、多くの物事をありのままに見られることを知っている。「対立を問題ではなく、機会としてとらえること」
・シナジーに到達する4つのステップ
①あなたも私も考えたことのない効果的な解決策を探してみないかと問いかける。
②よりよいアイデアはどのようなものだと思う?と質問する。それによりすべきことの明確なビジョンができ、全員が満足できる結果であるかどうかを評価する基準-両社の要求を上回る基準-が定まる
③基準を満たす解決策を件とし始める。自分たちのアイデアを正反対にしてみたりする。極端な可能性を検討できるかどうかがシナジーの成功の鍵を握っている。
④興奮状態になれば、シナジーに到達している。
・公平を求める気持ちは信頼関係の敵。成功基準作成時には関係者全員が参加しているか、可能な限り多くのアイデアを得ようとしているか、本当に求める結果は何か、なすべきことは何か、凝り固まった要求からよりよい結果に何かに視線を移しているか
・対立は人が自分の仕事を本気で考えているときにおこるもの。
GET→Gain 利益、得てしかるべきもの
Emotion 感情、気持ち、アイデンティティ
Territory 縄張り 部下、予算、専門知識
このGETがシナジーの障害になる。
・プロトタイプ 解決策のスケッチ、モデル、模型、草稿など。
カウンタータイプはこれを物事をさかさまにして考え、前提を疑い、従来のやり方をひっくり返したもの。
・家族は社会における第一かつ重要な組織。愛、人格、社会的、個人的責任を育てる土台である。
・ポジティブチケット 通常、警察は悪いことをした人にチケットをきるがいいことをした人に褒美のチケットを与えること
・ニーチェは「生きる理由を知る者は、およそどんな生き方にも耐えられる」という言葉を残している。
・幸福を長く続かせる鍵は奉仕であり、 奉仕こそ、人生の真の成功を測る基準
Posted by ブクログ
かなり面白かった
第三の案の考え方は二者択一で袋小路に入りがちな現代社会に素晴らしい第三の道を作り出します
要約すると
双方が新しい回答を見つけると同意する
相手の傾聴する
目標を設定する
思い切ったアイデアを出しながら全員が納得する答えを出す
特に、ニューヨークのタイムズスクエアの再開発計画の事例が良かった
僕も建築を志す一人として、相反する主張をいかにデザインに落とし込むかに神経を使ってます。
この計画案はまさに第三の案が建築として形に表れ、地域全体にポジティブな変えて行く好例だと思う
すべてのリーダーに読んでもらいたい本です
Posted by ブクログ
『7つの習慣』で豊かな人生を過ごすための大切な要素を教えてくれた、スティーブン・R・コヴィー博士。
すべてを理解できたとはいえませんが、僕もこの本から影響を受けた一人です。
そのコヴィー博士の新しい著作が出版されたと知り、体調を整え??取り組んでみることにしました。
題名は『第3の案』。
二者択一的な課題や対立に対して、その両者を満たす第3の案を見つけ、実践しましょうというのが、本書のテーマです。
まずその考えと進め方のステップが説明されています。
そして、「職場」「家庭」「教育現場」「法律」「社会」「世界」と多岐にわたって、第3の案実践のケーススタディーが書かれています。
僕は基本的な考え方を知りたかったので、冒頭の説明を興味深く、読み進めました。
第3の案への到達ステップを僕なりに解釈すると、以下のようになるかと思います。
①「いっしょに考えない?」と提案する
②「こうなったら成功!」という目標を決める
③双方の主張・立場を満たす、「第3の案」を創造する
④ゴール!
注目はステップ③に集まるかと思いますが、その前提としてステップ①,②が重要であるということは、自分自身の経験を省みても、納得できるなあと感じました。
自分自身を理解する、そして、相手を理解する。その姿勢が、問題解決の基本にあると、理解しました。
そして、ステップ③の解決案の創造については、アプローチの仕方の基本概念と、多くのケーススタディーで説明されています。
この本を読んで、「明日からできる」ということではなく、基本理念を踏まえて、経験を積んで、より多くの課題に対処できるようになるのではないかな、と受け取りました。
全体で500ページを超える大著。
僕の理解力では、一読しただけで真髄を理解できたとは言えないので、読み返し、理解を深めたいと思います。
『7つの習慣』は今でも、僕の小さな本棚の中に納まっていますが、この『第3の案』も、その隣に長く並ぶことになりそうです。
Posted by ブクログ
第3の案に辿り着く為には相手を唯一無二の個人として扱い、敬意を持って接しなければならないという観点が印象的であった。当たり前かもしれないが実際に行うのはかなり難しいのだろう。
今の日本の原発の是非の問題などの社会問題において、これらの視点は完全に抜け落ちているように思える。
影響力の大きい人からそうでない人までぜひ読んでほしい一冊。
Posted by ブクログ
七つの習慣の内容を追補している内容。
本書は、相手と自分のコンセンサスについてが中心。
七つの習慣でいうのであれば、win-winの関係が関連することでしょう。とはいえ、相手とその関係を築くために何をしましょうかっていうことが重点。
第三者の案ということで、
第一の案、私は自分自身を見る、私はあなたを見る
第二の案、私はあなたの考えを求める
これだけでは、1か0で、そこから、その先の解決案。
私はあなたとシナジーを起こす
二者択一から、第三者の案を選択しましょうというのが、本書でいいたいこと。
そうすれば、1プラス1が100にも200にもなるという建設的なコンセンサスに向かうための方向性を記した本です。
対象も章ごとにまとまっていて、
家族、職場、政策、学校などなど、あらゆる意思決定をする場で活用、応用できるようになっています。
実践は難しいですが、大切なことだと思います。
Posted by ブクログ
Win-Winを超えた概念。Win-Winは結局の所、双方ともに妥協が入り、落としどころを見つけるやり方にすぎないが、第3の案は妥協ではなく、全く新しい解決を模索しようとする方法であり、パラダイムを変えなければそこにたどり着けないとする。考え方は非常に納得性があり、理想論的にも思えるが、実際にそのような事例も多くあり、特別なものではないことは理解できる。
しかし、シナジーを起こす第3の案を導きだすのは、当事者双方の意識改革が必要なため、非常にハードルが高いと感じる。
その為のツールとして、トーキングスティックや傾聴のスキル等が必要である。それらのツールを活用し、安心な安全な対話の「場」と「キッカケ」が設定できれば、やってみる価値はある。「対話」「多様性」、そして各個人には、自分を知ること、相手を知ること、謙虚さが求められる。読む価値のある一冊だと思う。
Posted by ブクログ
原発反対vs原発賛成、がれき受け入れ反対vs受け入れ賛成、消費税反対vs消費税賛成、保守vsリベラル、、身の回りにはたくさんの二項対立が存在する。それは政治的な問題だけでなく、職場でも家庭でも。
筆者は「二者択一」にとらわれずにどちら側の考えをも上回る新たなアイディア(第3の案)を探求すべきと繰り返し説き、その道筋を示す。
特に身に染みたのは家庭での「第3の案」。ダメだと分かっていてもついつい子供に考えを押し付けている自分がいて、その内容というのがかつて自分が親に言われて嫌だったことだったりする。
子供の考えvs親の考えではなく、よりよい道を共に探すことができる関係を築きたい。
職場においてもついつい自分の組織を守ろうとするマインドセットに陥って、他組織との打合せに対決姿勢で臨んでしまうことがある。あぁなんと幼稚で非生産的なことか。対立を前進する絶好のチャンスと捉えなければ。この本読んで少しだけ大人になった気がする。
Posted by ブクログ
本書を読んでみて、自分が普段いかに二者択一型のパラダイムに捕われているのか気付かされた。想像してみると普段自分が抱えてしまう嫉妬や怒りは確かに本書のいう「シナジーのパラダイム」を持てばほとんど解決できると思う。自分の普段の行いと照らし合わせながら本書を読み進めると、どんどん内容に引き込まれていく。特にワード・クラパムのストーリーに深い感銘を受けた。
読み終わった後に何か視界が開けるような一種の爽快感が残る。訳者の表現も上手いのだろが、この人の書く文章は何か温かくて好きだ。
人によっては好き嫌いがはっきり分かれそうだが、7つの習慣と合わせて何か壁にぶち当たった時や、迷いを抱えたときに是非読み返したい。