【感想・ネタバレ】煙の殺意のレビュー

あらすじ

問答無用の面白さ、騙される快感!泡坂ミステリのエッセンスが詰まった名作品集。困っているときには、ことさら身なりに気を配り、紳士の心でいなければならない、という近衛真澄の教えを守り、服装を整えて多武の山公園へ赴いた島津亮彦。折よく近衛に会い、2人で鍋を囲んだが……知る人ぞ知る逸品「紳士の園」や、加奈江と毬子の往復書簡で語られる南の島のシンデレラストーリー「閏の花嫁」、大火災の実況中継にかじりつく警部と心惹かれる屍体に高揚する鑑識官コンビの殺人現場リポート「煙の殺意」など、騙しの美学に彩られた8編を収録。/収録作=「赤の追想」「椛山訪雪図」「紳士の園」「閏の花嫁」「煙の殺意」「狐の面」「歯と胴」「開橋式次第」

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Posted by ブクログ

ネタバレ

泡坂氏初期の短編にはチェスタトン張りのロジックが愉しめる。それは歪んだ論理とでも云おうか、読後に奇妙な味わいを残す。

本作では「赤の追走」、「紳士の園」、「煙の殺意」、「開橋式次第」がそれに当たる。

しかし本作は先ほど「奇妙な味わい」と述べたようにエリンの『特別料理』を意識したに違いないと思われる作品がある。『閏の花嫁』はもうほとんどオマージュであろうし、『歯と胴』は一種のホラーとも云える(題名からすればバリンジャーか)。

恐らく雑誌掲載の短編を寄せ集めたものであろうが、この完成度は素晴らしい。

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2020年03月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

おもしろかった!スピーディーに読めた。短編ミステリだと、最後にどかんと返されたりして楽しい。美しいと言われていた「椛山訪雪図」ついに読めた。なるほど美しい。名前もきれい。「紳士の園」「閏の花嫁」好きだったな。「紳士の園」は出所したふたりの会話がなんだか好きだった。「閏の花嫁」みたいな書簡体小説結構好きみたい。

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2026年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

短編「椛山訪雪図」が面白かった。時間によって、紅葉や雪景色に変わるという不思議な絵によって殺人のボロが暴かれてしまうストーリが面白い。「紳士の園」も良い。出所者同士が公園で白鳥を食べたりする思いも着かないエピソードが可笑しい。泡坂の短編は少しコミカルでテンポもよく楽しい。

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2012年02月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

以下ネタバレ。



「紳士の園」の、スワン鍋を巡る不思議なやり取りから、この人らしい面白さが味わえるようになってきた気がする。
ラストシーンの飛躍が、個人的には好き。
あ、そう締めますか!みたいな。

「閏の花嫁」シボニスータ。気になる。シボニスータ。

「煙の殺意」も、犯行動機の奇妙さ、でも不意に犯したことによる死者の数に耐えられなくなる人間心理というのも、あながちあるように思えて、面白く読めた。

「歯と胴」は、二度面白い。
一度目は、死体を無茶苦茶にしたわりに歯を含んだ石鯛を彼が食べられなくなるというシーン。
二度目は、妻が殺されたことを知らず、教授が浸る幸せさえも滲んでゆくシーン。
こういう視点で描かれた話はまだ読んだことがなくて、なるほどと思わされた。

米澤穂信のお薦めらしい、と聞いて読んでみたものの、自分が生まれる前に書かれた作品とは思えないくらい、なんか発想や書き口が若い!
ちょっと驚いてしまう。

一人が殺されることのストーリーが組み立てられていくのに、その一人が突然パーツになるというか、俯瞰される構造が楽しかった。

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2017年10月15日

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