あらすじ
開業3か月で稼働率90%、グッドデザイン賞を受賞した宿泊施設「里山十帖」について、オーナーであり地方創生のキーパーソンとしても注目される著者が、開業1年までの軌跡と成功要因を語る。
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Posted by ブクログ
新潟県の魚沼にある、里山十帖という旅館の経営を通じて、地方の観光やライフスタイルのあり方について、ひいては地方をどうやって元気にするかということまで提言をする本であると私は捉えました。
著者が里山十帖をオープンし経営していく中で大切にしていたことは、本物であるということや、物語性の追求でした。それらは、もともと地元に眠っていたものであり、特に意識はされなかっただけで確かに存在した貴重な資源です。
地域に眠る資源を活用しよう言葉で言うのは簡単で、実際、日本全国どこの市町村に行っても、そういった表現を使いまちづくりが行われています。でも、実現がいかに難しいかは、地方の現実をみれば明らかですよね。
大切なのは、地域の大切な資源を、目的に合わせてしっかりと編集し組み合わせる、筆者たちのいう「デザイン思考」であるのだと思いました。
地方のまちづくりなんかの分野では、頻繁に語られるテーマですが、実際の例を軸に、筆者がデザインをする上でどのようなことに気を付けて行っているかなどがリアルに描かれていて、とても説得力がありました。
最近読む本に共通のテーマみたいになってますが、リアルな肌感覚ってとても重要なのですね。
里山十帖と、魚沼に行きたくなりました。