【感想・ネタバレ】9番目の音を探して 47歳からのニューヨークジャズ留学のレビュー

あらすじ

これはまるで“のだめ”だ(笑)――二ノ宮知子(漫画家)帯文より。

今までのキャリアをすべて捨て、47歳の時に愛犬と一緒にNYの音楽大学・ニュースクールへ留学する。20代のクラスメイトに「ジャズができていない」と言われ、がむしゃらに練習すれば肩を壊し、自信喪失する日々が続く。しかし、ジャズレジェンドに触れ、仲間たちに励まされ、ジャズの、音楽の喜びを手に入れていく。ポップミュージシャンからジャズピアニストへ。勇気と努力の心ゆさぶられるリアルストーリー。電子版はカラースナップ113点を収録。


目次
■9th Note
憂鬱のはじまり。
痛み分けはジャズの味
ジャズ学校の異邦人
ジャズに焦りは禁じ手か?
ジャズをひと休み。陽はまた昇る
秋学期よ、こんにちは
双子のフェニックス
二ューヨークにいる亀
キンモクセイの咲く頃に 上
キンモクセイの咲く頃に 下
長いトンネルを抜けて
9番目の音に誘われて
■13th Note
それは憂鬱などではなく…
スモールワールドとモーニング息子。
ホームタウンと20ドル
サンドイッチとビバップ
ハイジの国から来た男。
6つの種から始まった
リユニオン。再会を夢見て
帰り道はいつも寄り道
Stage Fright(舞台恐怖症)
未来を箇条書きにしてみると
宿題引き受け株式会社
データ&インデックス
大江千里■1960年9月6日大阪生まれ。1983年、シングソングライターとしてデビュー。2008年、渡米。NYの音楽大学ニュースクール卒業後、オリジナルジャズアルバム3枚をリリース。現在は米国内を中心に積極的なライブ活動を展開中。

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匿名

購入済み

読み応えは期待以上

確かに千里さんのファンというのが購入した理由でした。
想像以上にジャズの世界は広くて奥深くて、何よりも日本でも成功していた千里さんが太刀打ちできないような才能を持った人達が世界各国から集まっているということに衝撃を受けました。
身体が悲鳴を上げるほどの努力、屈辱、焦りが最初のパートでは切実に伝わってきました。でも徐々に努力が実を結び、じっくりと温めた友情やネットワークは拡がり、少しずつニューヨークの地に根を伸ばしていく千里さんの姿が季節と共に綴られていました。
音楽の才能に加え、印象的な写真の数々、そして何よりも文筆の才もあったとは。読み応えは期待をはるかに上回っていました。

最後に、この本は人生の岐路に立っている人の背中を押してくれるに違いありません。

#感動する #タメになる #憧れる

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2024年06月13日

Posted by ブクログ

やりたいことがあれば年齢なんて関係ないっていつのは簡単だけど、実際には年齢を言い訳にしてしまうことがどれだけ多いことか。
そんなショボい思いを吹き飛ばしてしむうくらい、千里さんの音楽への熱い想いが溢れていた。
印象に残ったところはたくさんあるけど、渡米の収穫として「自分の選択に自己責任をとれるようになったこと」というところでは考え込んでしまった。
いくつになっても、人は変われるのかもしれないな。
そして、大江さんの書く文章にはリズムがあって、読んでると鼻歌を歌いたくなる。好き。

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2023年03月14日

Posted by ブクログ

2008年。日本での名声を捨て、47歳で単身ニューヨークの音楽大学へジャズを学びに入学した大江千里さん。そのニュースを聞き、当時40歳だった私は、大きな驚きとともに、なんだか羨ましい気持ちになったのを思い出します。

本書は、大学入学から4年半のニューヨークでの生活を千里さんが綴った作品。日本であれだけのトップアーティストだった人が、本場のジャズの学校では、全くの素人で何もできず、先生からも仲間からも怒られたり無視されたりと、メチャ厳しい日々を送ります。それでもあきらめない。プライドも捨てて、基礎から一歩一歩、地道に学んでいくんですね。

ジャズという音楽は、軽く聞き流していると、適当に演奏しているようにも聞こえますが、じっくり耳を澄ますと、いろんな楽器の音の重なり、繋がり、うねり(Groove)が魅力的で病みつきになります。本書を読みながら、ジャズの奥深さを千里さんとともに疑似体験しているような気分にもなれました。

現在、千里さんはニューヨーク在住で、ジャズ演奏活動とともに、新しい音楽家の発掘にも関わっているそうです。47歳で海外で人生リセットしてそこまでいくとは。才能と努力の賜物なのでしょうが、やはりスゴイ。

2021年の1冊目。まだまだコロナで厳しい世の中ですが、元気をもらえる1冊でした。

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2021年01月06日

Posted by ブクログ

 申し訳ないと感じるくらい、この本を手に取るのが遅かった。スラッピージョーシリーズは、繰り返し聞きながら、なぜJazzなのか? そんな思いはずっと無かった。そうだったのか。青春期ではないことにも感動、五十歳前後のこんな純粋なもがき。

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2019年09月22日

Posted by ブクログ

1990年代後半に社費留学でNYに行った。同じくNYの同じ大学に留学した同期から、「今の自分と同じ47歳でNYにJAZZを勉強しに行ったストーリー」と紹介された。色々な人生がまだまだあるはずやのにな、と言われてとても気になって手に取った。

47歳で海を渡った人の名前は大江千里。自分の世代では結構有名なポップシンガーだった。「ワラビー脱ぎ捨てて」や「格好悪い振られ方」などのメロディーはまだ耳に残っている。50歳間近になって、これから20代に交じってJAZZを学ぶというのは、ずいぶんと「格好悪い」はずだ。そのことを著者は隠してはいない。

こういうことができることはうらやましい。性格もあるのだろうし、環境がそれを許すのかということもあると思う。一方、それだけの熱量を何かに対して持つことができるだろうかと思う。

NYにいたあの頃、本当にチャレンジすることはなかった。楽しい思い出だけれども、それだけなのかもしれない。ずっと、人生で本当にチャレンジすることがあったのだろうかと反省する。

長い本だけれど、自分にとってはぐっとくる内容だった。

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2017年12月30日

Posted by ブクログ

ポップスのシンガーソングライターである大江千里は2008年に国内での音楽活動を休止し、ジャズピアニストになるべく単身ニューヨークに渡り、ジャズの音楽大学へ入学する。そして大学を卒業し、ジャズピアニストとして一人立ちするまでを描いた自伝的ノンフィクションが本作である。

彼が入学したThe New School For Jazz and Contemporary Musicは非常にレベルの高い音楽大学であり、21世紀ジャズを代表する三羽烏とも言えるBrad Mehldau(Pf)、Robert Glasper(Pf)、Avishai Cohen(Ba)を輩出したことでも知られる超一流校である。当然、ここに入学する学生もレベルは高いわけで、世界各国からジャズミュージシャンを志す20歳前後の若者が入学してくる。

その中で彼は47歳。日本でポップスの演奏はこなれているものの、初めてのジャズを演奏する中で、同級生とのセッションにおいて「ピアノの奴がジャズをわかってないから、俺はこれ以上演奏できない」と言われたり、教授から厳しく叱責されるなどの苦労を経て、猛練習の末に徐々にジャズピアノを体得し、教授や同級生たちに認められる様子には強く心を動かされるものがある。

音楽をやっている人はここで繰り広げられる音楽模様や教育のレベルの高さに強い関心を持つだろうし(個人的には、ドラムについても興味を持っていた彼が、Weather Report等の活躍で知られる名ドラマー、ピーター・アースキンの個人レッスンを受ける場面にワクワクさせられた)、やっていない人でも47歳から自らのキャリアをゼロリセットして新たなチャレンジを行うという点に感銘を受けるのは間違いないと思う。

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2017年12月09日

購入済み

Life

So Good!

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2015年09月23日

Posted by ブクログ

凡百のフィクションが束になってかかっても太刀打ちできない圧倒的な情熱と衝動の熱量。停滞する時代と社会の狭間で挑戦する気持ちを持て余す全ての人に読んでほしい。

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2015年09月06日

Posted by ブクログ

47歳からジャズを学びにニューヨークへ ダックスの「ぴ」と旅立ち
慣れない英語
ジャズの奥深さや体に染み付いた日本でのポップス
苦しみながらニューヨークで生きる
決心をする素晴らしい生き方
最後の卒業演奏に80歳超えの父親が
癌で出ない声を震わせ
ブラボーという
なんとも素敵な親子
千里さんの人柄だろう
いろんな人が集まってくる

そんな事しなくても
日本でそこそこ十分活躍できたのに
人間は不思議な生き物だ

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

 テレビでニューオリンズの街を訪ねながら、いろんな人とジャムをしていく大江さんのドキュメント番組を見て改めて興味を持ち読んでみました。
 日本でそれなりの地位を築いて順調なミュージシャン生活を送っていたのに、もの足りなさとジャズがやりたい思いで単身(withワンコ)ニューヨークへ渡る。そのシチュエーションだけでもう、わくわくする。
 スクールで苦労しながらジャズを学んでゆく姿、出来事は小説を読んでいるようだ。苦労しながらもだんだんとピアノの腕前もジャズになり、それに応じて友達も増えてゆく。音楽で楽しみながら仲間ができてゆく。才能があり、努力できた人にこそ成し得られる境地。これこそがジャズの醍醐味だ。読んでいてうらやましくてしょうがなかった。
 ジャズには孤独が似合うと昔は思ったけれど、この本を読んでいるとそれはまったく違うのだとわかる。ジャズは分かり合える同士が即興で音を紡いていく楽しいけれど、ものすごく緊張感をも伴う共同作業なのだった。その世界に憧れ壁を乗り切った大江さんの物語。分厚い本で文字も小さかったけれど、夢中で読みました。

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2024年12月16日

Posted by ブクログ

47歳で犬と単身ニューヨークに渡り、ジャズの学校に入学して一からジャズを学ぶ日々の記録。

日本ではアーティストとして活躍していた日々から一転、ポップスとは異なるジャズの世界に身を置き、年齢も国籍もさまざまな同級生達と切磋琢磨していく日常が綴られている。

何歳になっても好きなものを妥協せずがむしゃらに追求してしくのは素敵だなと思いました。

年齢も国籍も関係なく、ジャズが好きでジャズへの情熱が半端ない人たちとの交流や才能あふれる人々との出会いが大江千里さんの言葉で描かれていて楽しく読めました。

大江千里さんってこんな人だったのだと日本のメディアから受けた印象がガラッと変わりました。

何歳になっても始めることはできるし、遅くないのだと勇気をもらいました。

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2020年12月30日

Posted by ブクログ

47歳で今までの音楽活動を中止し、アメリカのジャズ大学に入学。
大江千里さんがそんな思い切ったキャリア転換をしておられたとは、まったく知らなかった。

すごいなぁ。そんなこと普通できないよ。

本書では、大学での四年に渡る日々が綴られているが、それはもう読んでいて気の毒になるほど過酷な日々。自分が全くジャズを知らなかったことを痛感し、子供といってもいいくらいの同級生と席を並べ、自分が培ってきたポップスの音楽性をジャズに塗り替えるべく練習を続ける日々。
本当に大変だったと思う。
そしてそれらを乗り越えて、今はニューヨークでジャズピアニストとして活躍されているとのこと。

人生100年時代を地でいく人だ。

大江さんのジャズも聴いてみたい。

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2018年12月09日

Posted by ブクログ

日本で成功を収めて確固たる地位も築きながら所縁も無き土地へ単身乗り込む、47歳の再挑戦。年端もゆかぬ若者から「ジャズをしていない」と謗りを受け、ポップの癖が抜けずに悪戦苦闘と足踏みを繰り返し、ストレスで原因不明の痺れに悩まされ、それでも日々何かに気付き発見し感謝し成長していく。

「もし自分だったら」と読んでいて内臓がきゅーっとなる箇所も多々ある。大江千里氏はなぜそこまで頑張れるのか。志と信念を持って何かを捨てる勇気が何かを掴むきっかけになることを教えてくれる本だ。人は幾つになっても輝ける。大江千里氏は素晴らしいエンターティナーだ。

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2018年04月25日

Posted by ブクログ

大江千里、名前だけ知っているだけで、和ポップスの曲一曲も知らない。47歳からのニューヨークジャズ留学というタイトルに引かれて読もうと思った。つまらなかったら止めれば良いと思いつつ367ページ2段組を読みきってしまった。音楽は知りませんが(JAZZも)楽しく読ませてくれました。

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2016年09月05日

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