あらすじ
ブラック企業にこき使われて心身共に衰弱した隆は、無意識に線路に飛び込もうとしたところを「ヤマモト」と名乗る男に助けられた。 同級生を自称する彼に心を開き、何かと助けてもらう隆だが、本物の同級生は海外滞在中ということがわかる。 なぜ赤の他人をここまで気にかけてくれるのか? 気になった隆は、彼の名前で個人情報をネット検索するが、出てきたのは、三年前に激務で鬱になり自殺した男のニュースだった――。第21回電撃小説大賞<メディアワークス文庫賞>受賞作。 スカっとできて最後は泣ける“すべての働く人たちに贈る、人生応援ストーリー”
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Posted by ブクログ
『ちょっと今から仕事辞めてくる』 を読むのは、これで3〜4回目になります。
結末も展開もすべて知っているはずなのに、今回も途中で何度も涙が溢れ、号泣してしまいました。初読のときとはまた違う深く温かい感情が込み上げ、この本は間違いなく「私の人生を陰で支え続けてくれている特別な1冊」だと改めて実感しています。
最初にこの本を開いたのは、中学1〜2年の頃でした。当時は単純にストーリーとしての起承転結が面白く、「すごく良い話だな」という爽やかな読後感を楽しんでいました。
ですが、今振り返ると、この本との出会いは私の人生の大きな分岐点になっていたのだと思います。
私はその後、中学3年生、高校2年生で不登校になり、最終的に通信制の学校を選ぶという経験をしました。当時は意識していませんでしたが、「限界まで無理をして自分を壊す前に、今の場所を辞めてもいいんだ」という選択肢が自分の中にあったのは、潜在的にこの本から大切なメッセージを受け取っていたからなのかもしれません。
ブラック企業で追い詰められ、「仕事を辞めるか、人生を辞めるか」という極限状態に陥る主人公の姿には、苦しいほど共感してしまいます。「自分は社会に必要とされていないのではないか」という孤独感や絶望感は、私自身も過去に何度も味わったことのある感情でした。
「こんな自分ならいない方がいいのかもしれない」と暗闇の中にいたとき、踏みとどまることができたのは、この本を通じて「自分の命より大事なものなんて、この世に何一つない」という当たり前で一番大切なことを、心に深く刻んでいたからだと思います。この本には、感謝してもしきれません。
作品全体としては重くメンタルに響くシーンも多く、途中で意外な人物の裏切りなどもあって引き込まれます。
しかし、だからこそクライマックスの「辞表を提出して会社を去るシーン」は圧巻です。毎回ここで涙腺が崩壊するのですが、それと同時に胸がすっと軽くなるような圧倒的なスッキリ感を味わえます。
どん底を描いているからこそ、ラストのほっこりとした終わり方が心に染みます。「生きていればこんなに良いこともあるんだな」「人生って思っているより捨てたもんじゃないかもしれない」――そんな穏やかで優しい希望を最後に残してくれる、本当に素敵なお話です。
生きづらさを抱えている人、いま何かに行き詰まって苦しんでいるすべての人に、ぜひ手に取ってほしい名作です。
Posted by ブクログ
印象的だったのは、純くんのお母さんの「逃げ方を教えてあげていなかったの。〜いつも頑張れ頑張れと励ましながら育ててきた。」というところに同じ...と思った。最後に部長にいうことばはスカッとした!自分の人生を変えられるのも自分。
何となく
会社にいるのが嫌になってる時に、たまたま見つけたこの本を勢いで買って読んでみました。
単純な話なのかもしれないけれど、それが心に刺さりました。
明日から自分の人生を頑張ろうと思います。
Posted by ブクログ
テンポがよくてとても面白い。作者は荒削りな小説だとあとがきで言っていたがそんなことは無い。
隆とヤマモトの物語で、ブラック企業に勤める隆の苦悩をヤマモトが和らげていくような展開の仕方をしていくが、途中で問題が起きたりもする。でも終盤でのお前の人生は半分は自分自身と、もう半分は周りの人で出来ているという所がかなり響くものがあった。選択の重要性とともに自分の人生のあり方について考えさせられた。
Posted by ブクログ
サクッと読めました。
初めは、知り合いを装ったヤマモトに何かされるのではと思っていたが、そんな事はなかった。
最後までヤマモトだった。
Posted by ブクログ
泣けた。働くストレスがみっちり詰まっていて、陥れてくる奴がいて、それでも主人公はどこまでも純粋で…。五十嵐の罪が暴かれなかったことがムカつくし、もっとスカッとしたかったが、最後はキレイな終わり方で、なんならこれからまたストーリーが続いていきそうで、面白かった。
Posted by ブクログ
隆は会社には恵まれなかったけど、自分を大切にしてくれる家族や友人に恵まれていた。それでも隆は最後の最後まで親や友人に相談したり助けを求めることをしなかった。追い詰められると、その存在すら見えなくなってしまうのかもしれない。
社会に出たばかりだと、就職した場所が全てで、そこで失敗したら何もかも終わってしまうように感じることがある。
けれど、ヤマモトが言っていたように、人との相性もあれば会社や職種との相性もある。その場所でうまくいかなかったからといって、自分の価値まで否定する必要はないんだと思った。
仕事に失敗して会社での居場所を失い、全てを終わらせようとした隆に両親がかけてくれた言葉ほど、救われるものはないだろうな。
遠く離れていても息子を案じ、いつでも帰りを待っていてくれる両親がいる。そのありがたみを知り、再び前を向いた隆なら、きっと誰かを支えられる大人になっていくのだと思う。
Posted by ブクログ
これがデビュー作かぁ。賞を受賞されて、店頭で根強く平積みされ続けていましたがついに映画化ですね。その姿を見ていた人間としては感慨深いものがあります。先が気になり一気に読みました。隆の危機感のなさや幽霊を信じ続ける素直さは目つくものの、それでもいっかと思えるだけの勢いがあります。陥れられたことを、それでも俺のせいと言い張る姿には、おいおいおいおいってな感じでしたが。ヤマモトは金目的で隆の鞄を漁ったのではと邪推してましたが違いましたね。良い人、悪い人がはっきりしていて読みやすい作品でした。映画も気になります。
Posted by ブクログ
新卒で入社した会社がブラック企業でパワハラの半月を送り、涙ながらに退職した私が見てもリアリティのある作品だった。特に青山の心情は自分を見てるかのようだった。自分より格下だと思っていた同級生たちが先に大手に入ったり、自分より良い会社に入社してるのに嫉妬したり、少し仕事が上手くいっただけでまだ出来るかもと錯覚する。小さな芽を見つけたんじゃないかって歓喜する。でも元々が荒地ならやがて枯れる。水を奪う先輩だっている。視野が狭くなるが故に生死の判断も緩くなる。思考回路が単純化される。上手く行ってるように見えてたあの人もたくさんの苦労や苦悩を抱えていることを忘れてしまうんだよな。隣の芝が青すぎる現象に陥るんだよ。これが起こる時って自分自身を見ていないからだと分かった。青山のように自分には親がいる、死ねば悲しい人もいる。人生は自分で決めれる。辞めた後も大変だけど辞めない未来より大変ではない。見え方も違う。自分の辛い過去を見つめ直すことが出来た本、「ちょっと今から」ぐらい仕事なんてと気楽に考えようと思う。
Posted by ブクログ
この作品でも主人公は、仕事で追いまくられて発作的に電車の前に飛び出す。現代の川は駅にあるのだ。その「魔の刻」というのはほんの数秒で、けれど人が境界を超えるのに十分な時間。それほど「生」と「死」の境界は薄い。この間ふと「向こう側が近い」という感覚に襲われた。知り合いでも昨日までぴんぴんしていた人が突然亡くなることがある。その近さに気付けたことは幸いだったのかもしれない。
Posted by ブクログ
ネットで評判が良かったのと、自分は仕事できなくて、なんか考え方とか学べるかなーと思って読んだ。フィクションだと思うから、嘘っぽいとかは何の反論にもならないと思うけど、こういう出会いはなくないか?仮に出会えたとして、知らない人との交流って続かなくないか?と、少し現実味が無さすぎる印象はあった。良い話というか、登場人物たちは凄く一生懸命に生きてると感じたし、自分も少しは共感するというか、発破を掛けられた感じはするけど、自分は役に徹することが苦手というか、演じ切ることが苦手というか、そういう人の真似がうまくできないし、ボロが出るよなって直感がそう思うから、読み込むときに少なからず摩擦というか、なりきってる人に本当に騙されるもんなのかなって疑いの目が常にあって、少し冷めた目で見てた気がした。良い話だったけど、再現性がないというか、自分の中に取り込むことはできなかった印象。ストーリーはハッピーエンドで、少しは元気をもらった気がするから時間の無駄とまでは思わなかったが、2回目読む確率は20パーセントくらいな気がする。