あらすじ
出版業界の未来は暗いかもしれないが、本の未来は明るい。
本はインターネットもスマホもSNSもイベントも、すべてのコンテンツとコミュニケーションを飲み込んで、その形を拡張していく。
「本と人との出会い」を作る型破りなプロジェクトを次々と立ち上げ、話題の新刊書店、下北沢「B&B」でメディアとしての本屋を実験する若きブック・コーディネーターが、新しい本の可能性を指し示す。
形が見えないからこそ、明日の本も本屋も面白い。
「これからのアイデア」をコンパクトに提供するブックシリーズ第10弾。
感情タグBEST3
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下北沢の書店B&Bの経営や本の現在・未来を語る本。2013年刊ですがアイデアは古びておらずポジティブなものばかりでとても楽しい内容でした。内沼さんの実行力はとにかくすごい。本と人を繋ぐ仕掛けを知りたい人、本の未来を考えたい人におすすめ。
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ブックコーディネーターとして様々なイベントなど企画している著者が、本の未来についてポジティブに語った本。
本の未来は厳しいという認識はあるし、実際本屋さんがどんどん減っている。しかしそんな中で新しい試みを展開している著者の試みはとても面白そうです。
本好きには是非読んでもらいたい、本未来に前向きになれる本です。著者がプロデュースしている下北沢の「B&B」って本屋さんにも行ってみたくなりました。
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本の可能性と未来
本の定義を広げて考え、文字だけでなく音楽、動画しいては食べ物でさえ本棚に陳列して本になれるといった話が面白い
そういった考えのもとではイベントを企画する事は、本の編集と同じことである
電子書籍が本を淘汰しない理由について、本の存在と電子書籍の存在を丁寧に解明していた
本はハードとソフトが一体になった存在。電子書籍はソフトなので、スマホなど、別のハードが必要になるためハードとソフトが一体になった本は電子書籍に淘汰されないと筆者は考えている
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ブック・コーディネーターの内沼さんによる本。「これからのアイデア」を文字に刻む新シリーズ」というキャッチコピーの「アイディア・リンク」シリーズの1冊として出版されていることもあり、内沼さんの視点から現在の本や出版に関する状況が整理され、そのうえで、これからの「本」を考えるための具体的な提案が示されていて、(広い意味で)本に関わって何か活動をしてみたい、と考える人にとってはマストな本だという印象を持った。
この本で記された内容のなかで意義あるアイディアはいくつもあるけれども、その中でも特に、大きな意義があると感じたのは、「本屋」という概念の再構築(=新たな概念としての「本屋」)の提案であろうと思う。当たらな概念が生み出されることで、私たちは新たな土台に立って議論を始めることができる。そのような意味で、ここで提案された「本屋」という概念は、これから私たちが、本と人との関わりを考え、新たな活動を提案するためのキーワードになるだろう。この概念を提示しただけでも、この本の意義は大きいと感じた。
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面白かった。今日まで電子書籍を白い目で見ていたが、紙の本と、電子書籍は決して敵対する存在では無いのかもしれない。読者のニーズに合わせ、本が世に回っているということに、変わりは無い。
この本を読んで、「本」がもっと好きになった。そして、もっとそれを楽しめることがわかった。
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下北沢にあるB&B(本屋×ビール×イベント×家具)のオーナーであり、本とヒトとをつなぐブックコーディネーターの内沼さんが語る「本」について。本というモノの見方が変わる内容で、ワークショップに使えそうなネタもたくさん。『○○』にあるように、などほかの本の引用が多いのも人生を本で語っているようで面白い。
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自分自身にも関連のある話であったため、興味深く読むことができた。本を読みながらコーヒーとかお酒を気軽に飲める空間ってなんかいい。
本との関わり方を考えさせられた。
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本や雑誌、エディトリアル・デザインがダメなんじゃなくて、出版社を中心としたビジネスモデルが崩壊しかかってるだけ、と日頃感じていたことを、再認識させてくれた本。
いやそれ以上に、出版社が関わらない「本」の可能性が、色んな事例を上げ解説されていて、とてもワクワクさせられた。
業界に閉塞感を感じている方は一読するといいかと。
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本の持つ知識やナラティブの伝達という価値を広げていくために、既存の枠組みや商慣習にとらわれずに、本との相乗効果が高そうなものと掛け合わせて新しいことにチャレンジしていく。自分だったらどんな形で本の可能性を広げていくだろう?アイデアを考えるのが楽しそう。面白いアイデアはまず自分がやりたいと思うことをお金をかけない範囲で初めたほうがいい。お金は後からついてくる。
本の流通の仕組みなど、恥ずかしながら意識したことがなく知らないことが多かった。言われてみればどこの店で買っても同じ値段だった…知恵や情報は安く早く満遍なく流通させる独自の仕組みがつくられた、なぜなら多様性を担保されるべきなので。という人間的な考えがベースにあるのが面白いと感じた。
本文中でも引用されてる、本への関心≒自分という存在への関心、という観点が印象的。
『本好きというのは「自分」という存在への関心が高い人ですから、出会った本について人と語り合いたくなる。「本屋」はその媒介者なんです。』
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著者はB&Bの代表者。
ヒントになりそうな記述がいくつか。
Carbon Copy Leading Note
位置情報と本を結び付けられないか?
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著者の思い描く本屋や本の これからについて。
まぁ自分も賛同というか、そうなればいいなー・実現するんじゃないか?…と思えてくる。
よく考えればたどり着きそうな考えなのに、とも思えた。
web進化論にも、Googleブックスについて書かれてた覚えがある。そういったものが逆襲や革命を起こす…のだろうか?
敵(?)に負けないで欲しい。自分も良質な本(著者が唱える広義、いや超広義?な意味の)を日々 渇望しているので。
☆5 でもいいんだけど、この新書の紙質が気に入らない(笑)。あと表紙も。本屋の店員さんに勧められなきゃ 買わんかっただろうし。
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本の定義を拡張して考える、というのがすごくしっくりきた
B&Bいいお店だよな〜
そこでなにかしていることがきちんと伝われば自然と足が向いていく場になる
リアルの場も、オンラインも、プロダクトとしての紙も、どれも溶けて融合させていく
本の未来は明るい
Posted by ブクログ
「出版業界の未来は暗いかもしれないが、本の未来は明るい」という紹介文の出だしを読んだ瞬間、これは読まなきゃと感じた。
筆者がまず挙げている「これからの本について考えるための10個のポイント」を、備忘のために列記。
1.本の定義を拡張して考える
2.読者の都合を優先して考える
3.本をハードウェアとソフトウェアに分けて考える
4.本の最適なインターフェイスについて考える
5.本の単位について考える
6.本とインターネットとの接続について考える
7.本の国境について考える
8.プロダクトとしての本とデータとしての本を分けて考える
9.本のある空間について考える
10.本の公共性について考える
印象的だった文章も引用しておきます。
「紙がいいとかデジタルがいいとか、ネット書店がいいとかリアル書店がいいとか、大きな書店がいいとか小さな書店がいいとかではなく、電子書籍も、ネット書店も、大型書店も、小さな街の書店も全部、気分や目的によって使い分けられることこそ、最も豊かな未来であるということです。全部、なくなってほしくない」
本の未来について、考えるヒントや今からでも取り組める仕事がちりばめられていた。
Posted by ブクログ
斜陽と言われる出版業界に対して、新たな視点を持ち込み利益を出す町の本屋の経営者。本というものを売るのではなく、本好きが増えて、本を媒介とする体験を売っている。
エクスペリエンスマーケティングの具体例っぽい感じ。アプローチは好み。
真正面からのマーケティング本より、モノが売れない時代の生き残り方として参考になる。
特にイベントの打ち方が面白い。有名人は呼べないとあきらめず、とりあえずチャレンジしてみる。
読者のニーズベースで考える。
など。
Posted by ブクログ
読まず嫌いをしていた。
考え方は、僕とは少し違うんだけれど、でもそれがちょっと面白かった。
“本”の考え方のお話。
本に変わり得るコンテンツは巷に溢れている。
本を沢山読まなくても人は生きてはいける。
本は場所をとり、本を読むのには時間がかかる。
でも、本が好きだという人が実は沢山いることも事実。
ただ、そんな人たちの意見というのは新しいコンテンツの革新性と比較するとかすんでしまう。
それでも、街には本を愛する人がいる。
本というものの捉え方。
本をつかったアプローチ。
その先に見据えるもの。
僕は僕なりに本と対峙していきたい。
Posted by ブクログ
下北沢でビールの飲める新刊書店を運営しているブック・コーディネーターによる、出版業界や書店業界の今と将来とをまとめた作品。
作者自身、「本の世界を歩くための地図」と表現しています。
取次や定価販売の問題と、異業種からの参入が難しい様々な障壁。
日々潰れる街の本屋と大資本しか生き残れない現状。
マーケティング的思考や生活者起点の欠如。
何となく知っていた諸問題を改めて学ぶことができました。
毎晩トークイベントを行って、使用しているアンティーク本棚を委託販売して、おいしいビールとコーヒーを飲ませる下北沢の本屋さん。
街の本屋の新しい形。
本好きに限らずとにかくあらゆる興味層の人々を一度来店させ、ファンを獲得する確率を上げるこの戦略は、本当に巧みだと思います。
複数の利幅の大きい商材を持つことも同時に成功していますし。
開店当初から何度もお邪魔してはこの方の想いに共感し、その巧みな戦略に敬意を表して本を購入しています。
週に数度、今後のゲストを知るためにHPを訪ねるのも楽しみのひとつです。
ジュンク堂が最近導入したポイントシステム、過去に購入した作品を全てWeb上で確認ができ、その購買データを基に新刊レコメンメールを送ってくれます。
この仕組みは衝撃的でした、新刊を買う人の特性をわかっている!
入会以降、チェーン店ではジュンク堂でしか本を買わなくなりました。
この規模のシステムを構築運用できる企業なんてほんの一握り。
これからも興味深い「場」と「出会い」を提供してくれる街の本屋さんで本を購入します。
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著者は広い意味での「本」について書かれていましたが、私には難しくてイメージしにくいところもありました。
紙の本の可能性を拡げる試みが印象に残りました。
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本好きの星、内沼晋太郎。
B&Bやバリューブックスに携わっている事で有名です。知る人ぞ知るなのかもしれませんが、本というものを書店という形以外で広めるという事にすごく影響を受けました。本に関わる人は広義の本屋であるという説には勇気づけられたものでありました。
Posted by ブクログ
著者がどういった経緯で今の仕事を始めたのか、「本」の定義についてが書いてあった。私はこの本を読んで、本とは知識や情報を的確に他者に伝えることかなと感じた。B&Bが新刊書店が生き残るためのビジネスモデルを模索するために始まったこと、ビールが飲める店にしたことで、行きたくなった。私も副業として小さな書店を始めたくなる。
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広義の本、ってことね~。思ってたのとは違ってたわ。頑迷と思われるのも癪だけど、著者が好きなのは、本ではなくて情報なんじゃないかな、と思ってしまった。そこはあくまで似て非なるものなんだけど、意見が分かれるところでもあるとは思う。なんで、頭ごなしに”紙媒体のものじゃなきゃダメなんじゃ!”って言うつもりはないけど、基本的に、電子媒体移行については反対派。ヴィレバンみたいな、他業種とのコラボは全然アリだと思うし、それによって本が並ぶ場所が増えるのは大歓迎だけど。
Posted by ブクログ
自宅前にコンビニがあったからか無精からか、全く料理をしなかった。部屋の狭さも手伝って、電子レンジも冷蔵庫もない。書籍も場所を取らない電子書籍ばかり。
今は逆で、紙ばかりに手が伸びる。引っ越しして場所の余裕はできたものの、国外に出てしまったた目、どう考えても紙媒体への先祖返りはおかしいのだけど、やはり紙が良い。書店の棚を眺めてるだけで、楽しい。
って事は消費者ビューで、この本はその提供者ビュー。ちょっと起業家色が強くて、苦手な部分もあったけど、本が好きな理由を紐解いていくヒントも少しあった。
ページ数も気軽に読めるものになっているので、コーヒーでもすすりながら読んでみてはいかがだろうか!。
Posted by ブクログ
本のライブに関しての考え方は面白かった。他にも色々。ただ全体通して、現在のプロの文章はプロになる迄もその後も多くの目でザルかけされ推敲されて出来てるという視点が抜けてる気が。あと、もしかすると、本が好きだからこそ何が何でも悲観論者に言い返してやりたかった!(怒)という本かコレ(苦笑)いや、具体的で面白かったんだけどね(選択肢が増えるだけというのはその通りだと思うし。ただ…金がある人には選択肢があるって事になるんじゃ…)
Posted by ブクログ
これ、表紙が惜しい。
内沼さんの本なので、読みたいキモチはずっとあったのに
なんか遠ざけていたんです。
でも、ありがたいことに最近、
当店もちょこちょこ本のお仕事を頂戴するようになり、
自分のキャパだけではおもしろい仕事ができない!
と一念発起。
で、もっと早く読めば良かったと思うわけです。
軽い論文のようなタッチ。
同意するとこも、そうではないとこも含め、
本を生業の道具にしている方の必読書になり得ます。
「逆襲」というタイトルが、本音を語っていて好ましい。
Posted by ブクログ
ブックコーディネーターという新しい職種をつくってしまった内沼晋太郎さんの自伝的出版論。
本というメディアの可能性を信じて新しい時代に対応した本のあり方を模索する。必ずしもそれは電子書籍という事ではなく、紙の本に付加価値を付けたり、流通経路を工夫したり、従来の書店とは違う業態をつくり出したりする地道な努力である。まだまだ本の可能性はあ畄野だと思うと心強い。
Posted by ブクログ
「本と人との偶然の出会いを作る」という態度は、一貫している。また、この供給過多の出版事情を、スリム化する意味も込めて「本にまつわる情報をひとつに絞る」こと、それを内沼氏は、、伝えたい情報を単純化するとも言っていた。
加えて、その機会を今ある環境で最大に利用するというコンセプトは、きちんと伝わってきた。