あらすじ
四万十川の大自然の中、貧しくも温かな家族に見守られて育つ少年あつよし。その夏、彼は子猫の生命を救い、同級の女の子をいじめから守るためにたちあがった……みずみずしい抒情の中に人間の絆を問いかえした感動の名作。
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Posted by ブクログ
小学生の夏休みに読む推薦図書になってたりしますが、大人が読んでも楽しめました。子供の頃の原風景に出会ったような気分になれました。
つかれた人にお勧めな本です。
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四万十川シリーズ第一弾。14歳の頃にこの作品を読んでずっと行きたかった四万十川、30年越しに行くことができ感無量でした。コロハシ漁をするお爺さんも見られて嬉しかった。
あと、子供の言う「なせ?」っていう土佐弁かわいい…。
Posted by ブクログ
猫好きにお薦めの作品。キィという雌猫が出てくるのだが、その賢いこと、勇敢なこと、愛情深いことといったら、泣けるくらい。まさに猫母の鑑。
こういう作品を読むと、「大人になる」ということを考えさせられる。主人公のあつよしは小学3年生だが、今の中高生くらいの精神年齢ではないだろうか。姉と兄はそれぞれ中学2年と小学6年だが、精神的にも、労働力としても大人である。あつよしの弟・妹ははっきりと子ども。だから、食品を扱う店として(もちろん昭和30年代の田舎には避妊手術はない)猫の子を間引かねばならないことを理屈では理解しているものの、気持ちの上では絶対に嫌だと思っている。
大人と子供の間の時間の中で自己形成していく過程が鮮やかに描かれている。はじめは自己主張もせず、口数も少なく、家庭でも学校でも目立たないあつよしが、猫の間引きとクラスメイトのいじめ問題をきっかけに、自分自身はどうしたいのか、そのためにはどうふるまえばいいのかを考え始める。
きょうだいもいいが、父と母が素晴らしい。決して豊かではないし、生活を維持することを最優先にしてはいるが、夫婦で相談しながら必要な時だけ手を貸し、見守っている。この夫婦、多分30代だろうと思うが、今の30代とはやはり「大人」としての成長度合いが違う。
家族が助け合って、生きる術を子どもが少しずつ身に着け、それとともに精神も鍛えられ成長する、理想の家庭だと思う。
難を言えば、方言が、なじみのない地方の人間にはちょっとわかりづらいことと、コロバシなどの漁について解説が特にないこと。(調べればわかるが)
読書感想文コンクールの課題図書になったこともあるが、どちらかというと大人の方がより感動する内容ではないかと思う。特に昭和の田舎の生活を知っている人。
しかし、生活と愛情の間で揺れる思いや、いじめにどう対応するかなどは普遍的なことなので、中高生でもいいとは思う。「喧嘩せにゃいけん時やらんがは、優しいじゃないがぞ」という言葉は心に響く。
Posted by ブクログ
仕事用で読んだやつ!とっつきにくいかと思ったけど全然そんなことなかった!
こんなに子どもの気持ちを理解して文字にできるひとってなかなかいないんじゃないかな…
子どもの時に自分も思っていたけどうまく表現できなかったことが見事に文章で表現されてて本当にすごいなあと。
書かれたのがわたしの生まれる前だったと知って驚き、いまも昔も変わらないんだなあと思いました
Posted by ブクログ
昔から家にある本なのに読んだことがなかった本。
人物が最初よくわからないのと少し古めの作品だからか読むのが途中しんどいところもあるけど、話は面白かった。
猫の子どもを助ける話と、虐められている女の子を助ける話。
篤義は無口だけど色々考えていて、それを言葉にするのがまだ上手にできなくて、子どもの葛藤がよく描かれているいい作品です。