あらすじ
建設会社に勤める圭介は、広大な休耕地をもつ祖父の雄蔵に土地の有効利用を持ちかけていた。しかし、脳卒中から快復した雄蔵は圭介の提案を断ると、自分の命を救ってくれた少年について語り、荒れ果てた土地をひとり耕し始める。芝生の広場をつくる、という老人の夢に巻き込まれていく圭介は、両親と祖父母の確執の真実を知り、迷いのあった人生の舵を切る。愛しい人のために今を変えようと奔走する、家族の絆の物語。
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Posted by ブクログ
圭介は自分の仕事のためにお祖父さんを利用しようとしたが、このことをきっかけにお祖父さんが芝生を育てることを手伝い、自分の生い立ちが実の父親はとっくに死んでいたことを母由紀子から聞き、春奈との結婚することになり、自分の生きがいであるサッカーを通じた仕事ができるという夢のようなな実際にもできそうな物語。
身につまされ最後はほっこり
空き地でボール遊びしたい
ちょっと、公園でサッカー練習したい
なんて思っても、看板には禁止の文字が。
遊びもだけど、試合するグラウンドさえも
なかなか見つからない、のは経験済みで
身につまされながら読み進めました。
このグラウンドは、サッカーを愛する者たちの
ユートピアですね
心地よいものが全部揃っています
グラウンドに吹く風の香りと陽の光も
伝わってきました
こんなホームグラウンド 身近にあったなら…
Posted by ブクログ
上司が教えてくれた言葉に、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」というのがある。雄藏にとって由紀子は大切な娘だけど、突然のことにうまく接することができなかったんだと思う。親父としては当然だ。孫ができて嬉しくない親は稀だろう。きっと、孫の顔より由紀子の将来を思いあぐねいたんだ。雄藏は君枝に元気を与え、自身の命の恩人である男の子にもう一度会うために、庭に芝のグラウンドをつくることで再び生きる活力を得て、それを手伝う圭介と春奈、修司も人生にとって大切なものに気づかされる。まわりのひとたちと一緒じゃなくても幸せになれる。大切なのは自分にとって何が必要なのかを知ることなんだと思う。簡単じゃないけど。
芝を一年中青く保つには手入れが必要だ。人の心も同じ。解説の中江有里が言う。
人の心は目に見えるもんじゃない。オイラの上司はだから言ったんだな、「物を大切にしない奴は、人も大切にしない」って。