あらすじ
ファンタジーの森の奥にある秘密の館。その扉を開ける鍵を、さあ、あなたに渡しましょう――。なぜ、初版『グリム童話』には、若い女性を裸にして、細切れにし、塩を振りかけて食べる……などという残酷な場面が入っているのか。それは「学者肌のグリム兄弟が、人間の本性を正直に表した原典に忠実であることを心がけたためだ」といわれている。強姦、殺人、カニバリズムという究極の残酷な行為が盛り込まれた話の中にも、「森には近づくな、男には気をつけろ、結婚に安易な夢は抱くな、弱い女は知恵で身を守れ」という教訓が随所に込められている奥深さ――。ここが、いつの時代にも私たちを惹きつけてやまない『グリム童話』の最大の魅力といっていいだろう。
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Posted by ブクログ
かなり面白いし、解説がついていることでその時代背景だったり、その作品からよみとれる教訓について学べるのが良い。参考文献にグリム童話の初版に訳が載っていたから機会があれば読んでみたいと思う。本屋では、この本しか見つけられなかったが、この本が実は第2作であり、第1作も存在することを知った
Posted by ブクログ
結構...いや、かなり過激な文章で知ってる物語からはかけ離れた内容が多かったが人間としての教訓みたいなものを学べる本だと思った。
人間の汚さ、女の汚さがよくわかる。
Posted by ブクログ
もともと聞いたことあるのはいばら姫と白雪姫ぐらいの10話。メルヘンの奥にある血と残虐、秘められた性愛の香りというサブタイトルのとおり。大人への教訓も含まれている。グリム童話の成立が気になるんだけど、そこはあんまり触れてない。
Posted by ブクログ
グリム童話は知っていそうで、知らない話も半分ほどあり、懐かしい感じもありつつ楽しみながら読めた。いくつも続けて読むと、老婆や糸車など、話のパターンもある程度は分かってきた。象徴するものに置き換えると別の話が読み取れて、面白いと感じた。
Posted by ブクログ
「死」に対する考え方は、中世期と現代では大きく異なるのだろう。死が日常にある時代と、死を現実のものとしない、いや、その存在自体を認めない現代社会に生きる私達とは違った生死観があって当然なのであろう。中世に書かれた本では多かれ少なかれ死や性など、人間の奥深くに存在する衝動というか、欲求というものがストレートに出てくる。子供向けの寓話として捉えられているグリム童話においても、実は現代とは大きく異なる社会倫理・価値観を基にして書かれている。
ただ、キリスト教における聖餐の儀をカニバリズムに結びつけている考え方には抵抗があるし、論理的説明にも欠けている様に思うのだが…
Posted by ブクログ
中世ヨーロッパ、キリスト教道徳支配、カニバリズム伝統の狩猟民族、現代とは異なる道徳律や慣習の世界。
解説で示される中世という時代。恐ろしいのは、話より、それが日常だったこと。