あらすじ
おめえの鏡は罪じゃあなく、人に残った人らしいところを映すんだ。人にとっていちばん大事な、あったかい心だ。ある東北の村から日本橋の酒問屋に招かれた一人の少女・イオ。彼女は「人の罪を映す」という不思議な目を持っていた。荒れた生活を送っていた酒問屋の跡取り息子・央介は、彼女の目をみたことで激しい良心の呵責に襲われ、かつて自分が犯した罪を贖おうとする。やがて更生した央介とイオは、彼女の目を使って、江戸で起こる数々の事件を解決していくことに。しかし、イオの出生の秘密を知る侍が現れたことで、二人の運命は大きく動き始める……。人にとって「罪」とは何か。そして「許し」とは何か。イオの不思議な能力の源泉に隠された秘密とは何か。そしてイオの過酷な運命を、央介は救うことができるのか。日本ファンタジーノベル大賞でデビューした著者が贈る、感動の時代小説。
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Posted by ブクログ
央介が頼もしくてかっこいい。
イオは央介にあえて、本当によかったなぁって思う。
カナデさますら、心を開いてくれていないっていうのを、
彼女は知ってて、央介の前で泣いたんだなぁと思うと、切なくて。
小出の十二年間も、つらかっただろうなぁ。
ナギのお産の状況も、きっと央介が見たものと大差ないんだろうなっておもうと。
そういうのがぎゅぎゅっとつまった、一冊。
好き。
Posted by ブクログ
上手く出来てた…!
以下微妙にネタバレ
不思議で有り難い話(授かった神様の力で人を救える)が
いつのまにか神様の力は人を傷つけるかもしれないものになり(p130どうして睦月神さまは〜)
それは「あったかい心(p132)」と言われてみたりして
このあたりまでは
「神様の力を持った女の子と色々な人達との話」というわくわくするような、時に切なくなるようなお話だったのに
後半に進むにつれて…
だんだんと…
そして神様は…
完全なるバットエンドじゃなかったのが救いですが
この設定で謎を残したまま色々な人の罪を映して生き方を変えて行くお話が続いて終わるのでも充分ありで面白かったろうな、とも思いました。