あらすじ
すべてのことには予兆がある! 人より先に気づけば、損害を回避し、競争相手に先んじることができる。科学データの不正操作から金融犯罪まで、行動心理学の巨人が豊富なケーススタディと思考実験で教室の熱気を再現。
【目次】
はじめに 気づき──個人的な経験から
第一章 自動車レースと自動車修理
第二章 動機づけられた見落とし
第三章 リーダーが気づかないとき
第四章 業界規模の見落とし
第五章 マジシャン、泥棒、広告業者、政治家、交渉人──共通しているのは
第六章 明白なことも見落とす滑りやすい坂
第七章 吠えなかった犬
第八章 どこかおかしな絵──話がうますぎるときは
第九章 前もって考えることで気づく
第一〇章 間接的な行動の見落とし
第一一章 予測可能な危機を防ぐためのリーダーシップ
第一二章 気づく力を磨く
謝辞
訳者あとがき
原注
【著者紹介】マックス・H・ベイザーマン (Max H. Bazerman) ハーバード・ビジネススクール教授。行動心理学の権威。リーダーシップ、意思決定、交渉術を専門とする。30カ国の政府や企業のアドバイザーとして活躍、ロンドン大学から名誉博士号、アスペン・ビジネス・社会プログラム研究所から生涯業績賞などを受けている。著書に、『予測できた危機をなぜ防げなかったのか?』(東洋経済新報社)『交渉の達人』(日本経済新聞出版社)『行動意思決定論:バイアスの罠』(白桃書房)など多数。
【訳者紹介】門脇弘典(かどわき ひろのり) 翻訳家。東京外国語大学外国語学部卒。訳書に、『レレバンス・イノベーション』(日本経済新聞出版社)。
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
異常を示す兆候は出ているのに、それを見逃してしまう人間の心理が解説されていた。著者がハーバード・ビジネススクールの人なので「ハーバード流」というフレーズが題名についているらしい。
Posted by ブクログ
9.11、スペースシャトル・チャレンジャー、エンロン、サブプライムローン、サンダスキー、ビル・クリントン、ハリケーン・カトリーナ、、、それぞれの事例に、問題化する前に気づき対処できたでろうこと、それにも拘わらず放置されてしまうメカニズムが説明される。
二者択一のワナにはまらず、その他の解決法も選択肢として検討すること。目の前の情報以外に判断に必要な情報があるのではないか。直感によるシステム1の思考ではなく、システム2の理性的思考で一歩先を考えること。インセンティブがもたらす効果がマイナスの誘因になっている可能性を検討すること。部外者の視点と内部情報とを合わせ持つこと。
企業買収の問題など、正解を説明されても、きっと正しく判断できないであろうと思ってしまったが、本質に気づけるよう少しでも視野を広げ、考えを柔軟にしたいと思った。
15-140
Posted by ブクログ
つい見逃してしまう、気づかないことに、どう見逃さないか、気づくようにするかの示唆に富む。カーネマン、サンスティーン、アカロフ等といった行動経済学の権威への言及は行動経済学に触れる基本パターンと化しており、「この本もか。。。」と少し残念。
Posted by ブクログ
「気づく」が多義化している気がするが、予測可能な危機に気づき、それを避けるために行動するために意識すべきポイントを行動心理学の見地から解説している。確かに、このご時世、判断が早いことがそのまま決断力と呼ばれて悪戯に推奨されていることには頷ける。