あらすじ
資本と格差の問題に正面から切り込み、全世界に影響を与えた大著『21世紀の資本』。その著者ピケティの理論と重厚な著作の概要を「超図解」でわかりやすくスピード解説するのが本書である。これからの格差社会を生き抜く指針が短時間でラクにつかめる本。
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Posted by ブクログ
話題の本『21世紀の資本』の概説本。700頁を読む時間がない人向けに。わかりやすいといえばわかりやすい。
経済成長が鈍化すると、労働所得よりも資本所得が上回る。すなわち相続や贈与で資産を得る人が有利というのが持論。
二度の大戦や、その後の劇的な復興景気によって、20世紀は経済格差の少ない歴史上稀にみる時代だった。それが1980年代以降、高所得者層の最高課税額が引き下げられたことで格差が拡大しつつある。
バルザックの小説で、財産狙いの結婚をしようとする青年の話を持ち出していて、お里が知れるなあという印象。
ピケティは人的資本については、考慮していない。
大富豪層に課税するのは名案ではあるが、別段新しい提案でもないし、単に自己の能力開発を怠って収入が低いのを環境のせいにしたがる人が好んで読んでいる本といった感じ。
階級の固定化の解消は一長一短に解決できるものでないし、もしすべてが平等ならば、人類は原始人に戻るべきであろう。