あらすじ
黒木奈々、31歳。NHK BS1「国際報道2014」のメインキャスターに抜擢され、その前途は輝かしいものに思われていた。
そんなある日、友人との食事中に突然の胃痛に襲われる。救急車で運ばれ、胃せん孔との診断で入院。しかし、それは、たんなる胃潰瘍ではなくステージ3の胃がんだった……。
セカンドオピニオンを得て、胃の全摘出を決意。同時に、自らの病名を公表し、病と戦うことを宣言する。
キャスターという立場を生かし、同年代の働く女性たちが、がんに襲われたとき、何か力になれるのではないかという信念のもとに、がん宣告のあとの心境を綴った手記が本書である。
あくまで明るく、前向きに病と闘いつつも、32歳の女性ならではの悩みはつきない。
容姿が取りざたされる職業で、果たして自分は仕事に戻れるのか。
これまでキャリアを優先してきたけれど、もう一度、誰かと恋ができるのだろうか。
結婚は? 子どもを持つことは?
何も「あきらめない」ことを目標とする今の女性たち。その中でがむしゃらに先頭を走ってきたキャスターが突然の病に襲われたとき、何を選び、何をあきらめるのか。
揺れ動く気持ちを素直に書き記した闘病記。
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Posted by ブクログ
著者は、念願だったニュースキャスターに抜擢されて程なくして、がんと診断されます。
死ぬことに対する恐怖や過酷な闘病生活のなかでも、仕事復帰に向け、毎日できることをひとつひとつこなし、小さなことに大きな喜び感じ、感謝をされていらっしゃる様子がひしひしと伝わりました。
猛烈に仕事がしたいということから、恋もしたいし、おしゃれも忘れずにいたいという女性らしい願望まで、著者の素直な気持ちが目一杯綴られていました。
私自身、先のことを考えると不安で押しつぶされそうなときがありますが、黒木さんがおっしゃるように、未来のことは未来の自分にまかせ、明日に繋がる今日を大切にして生きていけたらと思いました。