【感想・ネタバレ】中国人はつらいよ――その悲惨と悦楽 伝統から彼らの実像を知るのレビュー

あらすじ

中国の人々は総じて元気があり、暗い印象を与える人は少ない。そのメンタリティーの源はどこにあるのか? 中国は決して生きやすい社会ではない。庶民は地方官の苛烈な徴税とでたらめな裁判に苦しみ、官僚だって一歩間違えれば悲惨な刑罰を受ける。さらに官僚になるのも一苦労、「科挙」では八股文という超絶技巧が求められる。一方で中国人は人生に愉しみを見出す達人でもある。最高の娯楽になりうる漢詩に耽溺し、美食や美女を優雅に愛で、静寂が支配する「庭園」に佇む。中国は伝統的に、生きるしんどさと遊びの哲学が同居する国なのである。現代でも、官僚は一歩道を踏み外せば奈落の底に突き落とされ、中国文学は「反政治」の様相を呈している(これに対して、日本文学は「非政治」的であるといえる)。象棋や麻雀などのゲームが好きで、文房四宝(硯紙筆墨)に凝る人も多い。本書はそのような、現在にも通じる中国社会、中国文化のさまざまな相貌について柔らかな筆致で解説する。

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Posted by ブクログ

伝統中国での儒教と科挙制度に縛られての苦悩と文人趣味への傾倒による精神安定のありようから現代の中国人の性向を解説する。 「宗族」という制度が社会のベースとなっていたことで親疎によって中国人が他人にとる態度の振り幅が大きいという説が印象的。

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2019年01月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

共産党になろととも、本質的な部分は変わらないんだという感覚。科挙ではなくて共産党。女性が対象から外れなくなったのが最大の変化か。ともかく変わってないと思えばそれなりに納得がいく。

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2017年10月25日

Posted by ブクログ

内容は悪くないんだけど、文章が冗長で読みづらく、読んでておもしろいと思わなかった。
中国文化・文学をやってる人には常識かもしれないけど、普通の人はわからないよねという単語が突然使われていることが多い。

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2015年04月19日

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