あらすじ
低迷する業績、頻発するスキャンダル。悲鳴をあげる日本企業にとって、ガバナンス(企業統治)の見直しは必須である。1990年代以降、会社法施行・改正によって企業はどう変わったのか。そもそも銀行をはじめとする日本企業のガバナンスにはどのような特徴があったのか。実証分析によって通説がくつがえる。
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Posted by ブクログ
会社法改正も、某塚家具の親子間紛争も、 東芝の不正会計発覚も、シャープの減資も、猫も杓子もコーポレート・ガバナン ス。
法律や経営といった「型」の側面から解説 されるものも多いなか、そのインセンティブでガバナンスが維持できるんですかとい う数字の側面から書かれているので理解が しやすい一冊。
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話題の本を読んでみました。日本型ガバナンスの検証と銀行のガバナンスの検討により通説を揺るがすもの。深刻な銀行危機をもたらしたのは、銀行自身のコーポレートガバナンスの問題であったとするなど、検討すべき箇所が多いです。再読による分析が必要ですね。
Posted by ブクログ
欧米型、日本型、東アジア型のコーポレートガバナンスを読み解きながら、あるべき統治の形を探っているように思える一冊。
200ページに満たない新書サイズには、膨大な調査や分析により得られた知見が凝縮されている。
本書ではガバナンスの「効かせ方」に軸足を置いており、もう少し現場よりのガバナンス実践についても知りたいところだ。
Posted by ブクログ
昨年の売れ行きランキングからチョイス。
著者の花崎正晴氏は、ブルキングス研究所や政投銀を経て、現在は一橋大院教授。
感想。
面白かった。価格740円は安い。仮説→実証研究の流れとか参考になる。
備忘録。
・2012年、日本の法人数は195万社あって、うち3万が中堅・大企業。ここがコーポレートガバナンスの議論の対象か。
・米国では従来から独立色の強い社外取締役が、取締役総数の過半数を占めることがSECから求められている。
・エンロン→アーサーアンダーセン消滅へ。
・ストックオプションや業績連動型報酬といった、エージェンシー問題解決策(インセンティブスキーム)は、次の2点に限界有。①業績や株価の好不調は必ずしも経営者の努力だけによるものではない、②経営者が短期的利益に目が行きやすい。
・FCF問題→FCFが大きい会社は、低利回りのPJに投資する傾向があること。
・日本では、株主は米国型ガバナンスの担い手としては機能せず、単に配当やキャピタルゲインだけを要求しており、代わりにメインバンクがコーポレートガバナンスの役割を果たしてきたのでは、という主張。
・一般的にコモンロー(米英法)よりもシビルロー(大陸法)の方が、投資家に対して与えている法的権利がぜい弱。
・実証研究「ストックオプション導入で企業の収益性は改善したか」→有意にプラスの効果はなし。
Posted by ブクログ
企業統治(コーポレートガバナンス)を知るには良い本である。
本著では、アメリカ型ガバナンスと日本型ガバナンスの特徴とメリットデメリットを挙げており、合わせて次世代のガバナンスの在り方として、ステークホルダー(従業員、取引先、社会を含む)型ガバナンスを提示主張。
日本型の場合は、経営陣に絶大な権力が集まり、経営陣の質によっては独裁経営による業績悪化や変革の鈍重さを指摘。アメリカ型は株主至上主義であり、経営陣は外部から招聘き、従業員との関係が希薄である。
さて、会社法や会社の仕組みといった外的な要因から多分に影響を受ける。だが、企業統治は一つの国作りのようなもので、実際に組織作りから運営までの道のりは厳しい。こればかりは、実験してみないことにはどうなるかはわからない。株主(出資者)も従業員(人材資源)も取引先(信用顧客)大事にし、不祥事が起きた際には謝罪・修正し、常に学習と時代や社会に適応していかなければならない。
言うは易く行なうは難しだが、企業統治改革は常に必須であり、海外型であろうが、日本型であろうが、時代に適応し続け、半期または年毎で修正し、株主も従業員も注視し大切にしていくことが必要であろう。
Posted by ブクログ
昨今・・・韓国の「財閥」の長女が報道を騒がしている。
家族支配型企業の占める割合が高い東アジア。
ガバナンスという観点からはまだまだ日本は健全。