【感想・ネタバレ】凧と円柱のレビュー

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Posted by ブクログ

マイベスト20句

まんなかが窪む遅日のひとだかり
水に輪があらはれ寒くなりにけり
マフラーのとけて水かげろふの街
ひだまりを手袋がすり抜けてゆく
うぐひすの畳に胴の沈みゆく
鳥の巣を囲んで人の消えにけり
前見るとうしろの見ゆる蚊の鏡
丘に灼けただれてゐたる木馬たち
菜の花と合はさるやうに擦れちがふ
人うせてすきまの残る夏の昼
コスモスに触れてゐる間は部屋がある
書いてある番地のなかの枇杷の花
巣が蜘蛛のまはりへと波打つてゆく
かなかなをひらけばひらくほど窓が
まちなかにこまかい塵の降るむかし
シーソーを冬の装置としてをがむ
枝ばかりある水洟の林かな
こなごなに凍てながら日は水底へ
絵がひらたく剝がれ吹雪の谷へ入る
虹あとの通過めまぐるしく変る

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2018年12月04日

Posted by ブクログ

言葉の関節を外すような句の数々に刺激を受けた。「ほとんどが蓬になつてしまひけり」「円柱は春の夕べにあらはれぬ」「そこにいる蜻蛉に位置が入れかはる」「月面が芒を過ぎてから見ゆる」「つわぶきは夜に考へられてゐる」「卓球の音のしてゐる蚊喰鳥」「かけごゑのその向こうまで逃水が」「まつくらな家にとんぼの呑み込まる」「さはやかに人のかたちにくり抜かる「丘にゐたときとは違ふいわし雲」「まなざしの球体となり霧をゆく」「うすぐらいバスは鯨を食べにゆく」「サルビアは思ひ違いをしてゐたか」

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2021年10月17日

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