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感情タグBEST3
Posted by ブクログ
マイベスト20句
まんなかが窪む遅日のひとだかり
水に輪があらはれ寒くなりにけり
マフラーのとけて水かげろふの街
ひだまりを手袋がすり抜けてゆく
うぐひすの畳に胴の沈みゆく
鳥の巣を囲んで人の消えにけり
前見るとうしろの見ゆる蚊の鏡
丘に灼けただれてゐたる木馬たち
菜の花と合はさるやうに擦れちがふ
人うせてすきまの残る夏の昼
コスモスに触れてゐる間は部屋がある
書いてある番地のなかの枇杷の花
巣が蜘蛛のまはりへと波打つてゆく
かなかなをひらけばひらくほど窓が
まちなかにこまかい塵の降るむかし
シーソーを冬の装置としてをがむ
枝ばかりある水洟の林かな
こなごなに凍てながら日は水底へ
絵がひらたく剝がれ吹雪の谷へ入る
虹あとの通過めまぐるしく変る