あらすじ
よしえとときえは四月一日生まれの双子の姉妹。二人には絶対に知られてはいけない秘密がある――。交換日誌をした小学校の担任、はじめて心をゆるした大学の先輩、結婚したかったのにできなかったあの人……。死を直前にして語られる交錯した人々の思い出。愛の刹那と人生の偶然。鮮烈な言葉と不意打ちの笑いが織りなす魅惑の連作長編。
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Posted by ブクログ
お笑い芸人の鳥居みゆきを知ってる人は多いと思うが、こんな素晴らしい小説を書いていることを知ってる人は少ないのではないか。この独特の世界観からして素晴らしいんだけど、この短編集がすべて繋がっているっていうこと。
よしえとときえの双子の姉妹を軸に、姉妹が小さい頃や大人になっておばあちゃんになって死んでいく、その流れをはちゃめちゃな順序で、でも繋がって紡いだ文章なのだ。
これは天才だわ。どこでどの人がよしえとときえの関係者なのか、じっくり探すのもおもしろい。シュールさも好きだ。
最後にわかる題名も秀逸!
Posted by ブクログ
お笑い芸人のボケがたくさん織り込まれた小説で、すごい面白かったです。怖かったけど。劇団ひとりさんの陰日向に咲くのように各々のストーリーが繋がっているらしかったけど、ボケやホラー要素に引っ張られてしまって、その辺はよくわかりませんでした。もう一回読めと言うことなのでしょう。
Posted by ブクログ
2018年、28冊目は、鳥居みゆき!!
四月一日生まれの一卵性双生児、よしえと、ときえ。その家族と周りの人々のエピソードを時系列を前後しながら綴った連作長編。
実は、鳥居みゆきの処女作、『夜にはずっと深い夜を』も読んでてけっこう気に入ってた。今回、あまり重いモノ避けたくて、軽い気持ちで手に取ったが、コレが意外に大当り。
十九編の短編が絡み合う構成。一編、一編はそれぞれ独立し、サイコ的、書簡体、官能のパロディー、まるで鳥居みゆきの一人コントのネタ、小学生の作文的なモノまで様々。全く飽きさせない。
細かい描写やら、ヒネッた比喩やらの小難しいコトやってないのよ。ソレでいて、展開や構成はメチャクチャ凝ってる。パンクロックの括りだと、クラッシュ『ロンドン・コーリング』、ダムド『マシンガン・エチケット』辺り聴いてる質感(かなり抽象的だが、そんな感じ)。
コレは様々な意味で再読必至。ファースト・インプレッション、★★★★☆は揺るがないだろう。
Posted by ブクログ
16/1/14
伝わらない気持ち、伝えられない気持ち、すれ違いや勘違い…。知らず知らずに傷つけていたり、ぬかよろこびしたり…。
とにかく人と人との関係は難しい。
ずっと憎んでいたあの人に対しても、優しい気持ちを持てるようになりました。
Posted by ブクログ
半日足らずで読み終えてしまった。
多少の読みづらさは感じたものの、
とにかくテンポがいい、凄まじく。
この入り込んだら引き返させないリズム感は、
やっぱり芸人としてのキャリアがあるからなのかな、と舌を巻く。
これでもかと巻きまくっている。
『道化』という話が特に好きだった。
主に『死(生命の終わりという概念に限られない死)』
というものに軸を置いている話が多いからこそ、
今際の際に放たれた言葉がとても輝いていて、好きだった。
Posted by ブクログ
鳥居みゆきさんの本で毎回凄いと思うのは連作なところ。時系列もバラバラだし巧みだなぁ。読み進める毎に登場人物たちが厚みを増してきます。
登場人物がほとんどどうかしてるしご自身と同じネタをする芸人を絶賛してるしで面白いけれど、「トキさん」はゾッとしました。ときえちゃんだよな。。よしえちゃんと入れ替わってたのもこのためか。
「道化」ではジーンとしてしまいました。最初から順に読んできててここに到達するの、不意打ちだ。
Posted by ブクログ
ショートショートに近い短編集ながら、濃密にして、技巧的。
鳥居さんの芸風にも通じる狂気とユーモアの混沌が、独特の感傷を生み出す。
ただギミック的に優れているとは思うものの、闇深いというか、えげつないテイストが、ちょっとしんどい。
プラスとマイナスが相殺したところの☆3です。
Posted by ブクログ
鳥居みゆきって、お笑い芸人の鳥居みゆきだったのね?!
支離滅裂で、どこかでリンクしているクレイジー短編集。どこまで夢でどこまで現か、目が回りそうな不思議な話。