【感想・ネタバレ】古代史は知的冒険のレビュー

あらすじ

著者の古代史は、大胆な推理、緻密な分析、ユニークな視点が身上で、多くのファンに親しまれている。本書は、より細かな視点から、古代史の興味尽きない話題を通覧する、古代史エッセイである。内容は、◎まずは甘樫丘に登ってみよう。なぜ誰もが蘇我氏の地・飛鳥を懐かしんだのか。『古事記』を読んでも古代史の謎は解けない。酒池肉林を繰り広げた武烈天皇。君知るや纏向遺跡。聖徳太子などいなかった? 表裏一体だった神と鬼。持統天皇が天照大神になった? 神を通じて税も集められた。縄文時代を見直そう。古代史の謎の要は継体天皇。謎がないと信じられている時代に謎がある……など、従来の著者のファンはもちろん、著者の作品を初めて読む人にもわかりやすく楽しめる内容になっている。「意外な歴史の扉」に通じる一冊。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

積読消化。
古代史の謎=語られない(隠された)歴史のありかと、それらを解き明かすことの面白さを伝える本。

筆者・関氏の持論や思想が強く著されている部分も多分にあるけれど、それらを含めて素直に、とても面白かった。古代史関連の知識がほとんどない私のような人間からすれば、古代日本史のイメージを一変させられる内容だった。
古代を舞台にしたドラマや映画がもっと流行ればいいのに…と思うほど、展開がドラマティックで、人間味があって、裏表が複雑で、面白い。隣国中国の古装劇(古代ドラマ)のような感じで、もっと作ってみればいいのに。うちの国でやると、史実がハッキリしないことには炎上しちゃうんだろうか…。


下記のフレーズが、関氏のメソッドや立場をよく表していると思う(断って、関氏は史学的、物質的な成果を否定したり無視しているわけではない)。

『歴史を作るのは人間であり、人間の愛憎が、社会を動かしている。また、人間が集まれば、かならず、派閥を作り出す。だから、人間の愛と憎しみ、徒党を組む様子を眺めていけば、史学者が見逃した、意外なヒントが浮彫になってくることがある。』

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2018年10月24日

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