あらすじ
「二度とわたしを、姫なんて呼ばないで」 最後に水浴びをしたのは、いつだったか。五日前？ もっとか。十日前……？ ハイジ・バランは、まだ、生きています。 大王都カバラからなんとか脱出したものの、帝国の軍勢は既にデスティニア公国へも進軍していた。大軍で押し寄せる帝国軍にサクラたちは少数精鋭で立ち向かう……！ 血が滾(たぎ)って色々躍る大戦詩幻想交響曲(ファンタジックウォーシンフォニー)、運命が軋む4巻!!
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Posted by ブクログ
四巻ではハイジの出番は少なくなっています。
四巻を読んでいるのに、第一巻を読んでいるような気分になりました。つまり、説明文が多かったです。
ハイジ一行の代わりに出番が多かったのは亞璃簾宮太華子（以下、アリス）と咎埜不人でした。
そういえば、四巻の表紙で前に立っているのはアリスで、その後ろにサクラが居ますね。
アリスと不人の関係を見てると、サクラとハイジの関係を思い出してしまいました。
全く一緒、というわけではないのですが、同じ時代に敵国同士ということで、ハイジと不人はいいライバルになるかもしれませんね。
そんなこんなで、個人的にアリスと不人はなかなか面白い人かもと思っていたのですが、この巻でのハイジとアリスの対決で、ハイジがアリスのことをクソ女とか呼んでいて面食らってしまいました。
あらハイジ、いつの間にそんな言葉遣いに。
三巻のレビューで書いたときのような純粋なハイジは、腐った世界に飲み込まれてしまったのかな。
本に書かれていないところで何があったんだか・・・・。
まさか、カバラン大王国脱出が全く描かれないとは。
脱出編とか面白そうじゃん！と思ったのは俺だけなのかな。
勝手な俺の思いを他所に、4巻で世界は大きく変わっていきます。
ドリアン公の思惑、フリージアン太子の思惑、公国軍司令の思惑、帝国の思惑に狗塚宮の思惑、アリスの思惑、これらが入り乱れる世界。
この世界がこの先どう動くのか、この物語の終着点は何か全く見えなくなってしまいました。
これらを説明しているせいで、読んでる途中は説明文が多く感じ、あまり楽しくなかったです。
しかし、ちゃんと読み、ああもうこんがらがってきたと嘆息しながらのラスト。さらにぶっコンできましたね。
ドリアン公、ハイジとサクラの関係についてここでこう来るか。
なんだか急におかしく思えてきたのは俺だけでしょうか。
いままでの説明内容がただの状況説明ではなく、物語として動き出したように自分には感じられ、感動してしまいました。
