あらすじ
絵には、現実世界とは別の、絵画という文法がある。私たちはその「文法」を通して、絵を描き、読み、鑑賞している。その文法は、絵の表面からは隠されていて、すぐには見ることができない。しかし絵画には、四角い(あるいは丸い)画面の中に確かに文法があり、人の目を通して、脳で解読されているのだ。いわば、隠された「美の秘密」。本書では「構図」をテーマにその秘密、つまり絵画の文法を一つ一つ取り出していく。
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Posted by ブクログ
絵画において構図はかなり重要な要素を占めている。しかしながらその構成要素を理解してその観点から見るということはなかったので今後活用したい知識。
垂直線、水平線、対角線、円や三角形といった形などの平面的要素、一点から三点まである遠近法、二から四次元などの奥行き、光と色、人体や解剖学。構図に直接的に関係しない仏教美術に関する知識は、それをここに入れることが本としての構図として見本を示しているとのこと。
Posted by ブクログ
思ってた「構図」ではなかった。
「構図」の概念みたいな事が書かれているのかな?
絵画を見る時の視点が増えました。
仏陀の話は興味深かったです。
Posted by ブクログ
絵を描くときの勉強になった。縦横三角色彩遠近法、みななるほど。マイナス★は仏陀の生涯の部分(2段組みになったところ。編集者もそう思ったんだろうな)。この本のテーマにはちょっとそぐわないか。仏像の誕生について、筆者が関心を寄せているということは分かったけど。
Posted by ブクログ
構図。
それはあれこれの図形をいかに画面上に配置するかという、視覚的な問題だと思っていた。
この本を読んでその認識が変わった。
構図は、視覚的要素のみを扱っているわけではない。
画面左下に人影が描かれていたとき、それは単なる黒い点ではない。「人」という意味が、見る者にはっきりと伝わってくる。
人間は、意味の世界で生きている。構図もまた、意味に接している。
Posted by ブクログ
幼少より絵心がなかったこともあり、美術的な感覚が乏しかったが、改めて絵画の楽しみ方を教わったような気がします。確かに構図というのはなんらかの目的があって採用されるわけで、そこから捉えれば理解しやすいと共感。振り返って、何事もアウトラインをまず押さえることの重要性を改めて実感した次第である。
Posted by ブクログ
構図、というと、モチーフを三角形やらなにやらの形に配置すること・・・
その程度の浅い理解しかなかったわけだが。
構図は形だけが作るのではなく、色や光や空間も構図を作り上げる要素であることを知った。
そして、人体にも脊柱を中心とする重心のバランスがあり、これが人間の自分の位置を知る能力の礎となり、位置関係の把握から構図への意識が生まれるという話も、興味深かった。
古今東西の美術作品が例としてふんだんにあげられていて、楽しく読める。