あらすじ
ラブラドールのハリーと過ごした小学校時代、歴女の第一歩を踏み出した中学時代、単身海外にモデル修業に行った頃、そして、女優として活動を始めたとき……。NHK連続テレビ小説のヒロインを演じ国民的な女優となった杏が、それまでの人生を、人との出会いをテーマに振り返って描いたエッセイ集。そのとき感じたことを次につなげて明日に向かう姿は、感動必至。(解説:村上春樹)
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Posted by ブクログ
一つひとつのエピソードがどれも臨場感たっぷり。
風光るが出てきたのが嬉しかった!
杏ちゃんを通して、彼女の日常をはじめ、普段では知ることのないモデルや舞台、ドラマ、ドキュメンタリー等の裏側を少し覗くことができて面白い。エッセイの醍醐味。芸能のお仕事は改めて人との出会いが大切なんだと思った。
一期一会を大切にしているなと頭が下がる思い。長くその業界に身を置いている芸能人はそういう人が多いんだろうな。
ぜひ現在のパリ生活のエッセイも出して欲しい。
後日談のベラの授業もよかった。えんどう豆先生も出てきて点と点が繋がった時の気持ちいい感じ。
日記を書くって大事なんだな。子供の頃の何気ない1日が見返すとかけがえのない日になっている。
そしてそれは大人になっても同じ。やはり日記やメモを残してその時の感情を残しておく、言葉にしておく。
あとすごいなぁと思ったのが小さい選択をする。この授業をしたのが少なくとも10年前。これがいいと自分で決めることの重要性を早くから知ってたんだな。
村上春樹が解説というのもテンション上がった。
杏ちゃんから依頼したとのことだけどこれもひとつの出会いからうまれたこと。
全編読んでいて楽しかった!
杏ちゃんをさらに好きになりました。
Posted by ブクログ
自分がちゃんとある。
ニューヨークやパリ、イタリアで頼もしくモデル仕事をしたり、気になっていた陶芸に怪しすぎる電話をかけてオトンたちと仲良くなったり、オペラ座の怪人の役になるまでの追いみ方から、自分の気持ちや情熱を大切にして思いたったらすぐ実行する感じだった。
自分のことを「大胆でせっかち無鉄砲」と表現しているが、誰でもできることではない。社交的で人との交流を大切にしていることも伝わった。
Posted by ブクログ
最近杏さんのYouTubeを見るようになり、彼女の柔らかい雰囲気・軸の通った考え方・ゆるやかな生活などが素敵で、もっと知りたいと思い、この本を見つけた。
内容はこれまでの出会いについて。
彼女だから色々な出会いがあったのか、
出会いがあったから彼女になったのか。
彼女だから色々な出会いがあったんだろうな。
素敵な方です。
文末のベラの授業内容は、
小学生向けに考えたようだが、34歳の私でもぐっときてしまった。
エッセイ第2弾も読んでみたいと思う。
Posted by ブクログ
人との出会いをテーマに綴られたエッセイ。杏さんが結婚する前のことが語られている。
テレビドラマ「名前をなくした女神」の撮影について書かれた『ようこそ、ママ友地獄へ』では、モニターをチェックしたとき、子供といる自分の笑顔が柔らかく驚き、「ああ、私って、子供が好きだったんだぁ」と気づいたり、『投球ズバーンさん』では、子供の頃にリトルリーグに所属していたことを明かし、「いつか自分に子どもが生まれたら、親とのキャッチボールは必ずさせたい」と思ったりしているのだが、読んでいて、余計な雑念が頭の中を去来して困った。
巻末に収録されている文庫版書き下しの『後日談 ベラの授業』は、杏さんのお人柄がよく表れているエピソードだった。
今はただ、杏さん頑張れ!とエールを送りたい。
登山初心者の私としては、『穂高成人式』を興味深く読んだ。
Posted by ブクログ
元祖・歴女でもいらっしゃる
モデル・女優の杏さんによる初エッセイ集の文庫版。
現在は第二弾のエッセイ集も発売されているようです。
出会いをテーマにして書かれた、
10ページ前後のエッセイがたくさん収録されています。
しっかりとした言葉遣いでいて、穏やかで柔らか。
さらには、笑えたり微笑ましかったりするし、
語りすぎないところや言葉のチョイスなどによって文章に緩急がある。
もっとも、その内容が魅力的で、夢中になって読んでしまいます。
たのしい読書になりました。
杏さんは僕よりも9歳年下のようですが、
とても内容濃く生きてこられたような印象の方で、
前にEテレの対談番組「SWITCHインタビュー」に彼女が出演されたときには
その聡明な言葉のセンスや知識の深さに驚いたものでした。
9歳年下でも、僕以上にあたまがしっかりとしています。
人生は一度きりだけれど、その人生の瞬間瞬間を無駄にしてしまうことって
けっこうあると思うのです、それも本当に無駄だなという使い方って。
たとえば、僕の人生にはそんな要素がたっぷりとある。
でも、杏さんって、そういうところが、
前を向いて一歩一歩確実に進んでいく方のように見受けられます。
その積み重ねがきちんとあるタイプなのでしょうね。
ここはネタバレになりますが、
小学生に「これで良い」と「これが良い」の違いを教えて、
「これが良い」と自分の意志による選択で日々を送っていくのっていいんだよ、
と説明しているところがあります(それも、妖怪人間ベラの恰好でなんですが)。
そういう姿勢こそが、
杏さんが人生を濃く生きてきた秘訣の大きな一つなんでしょう。
自分よりも若い人に真正面からうんうんと学べるような年齢に
僕もなったなあと感慨もありつつ、
このエッセイ集は楽しいし、刺激にもなるし、
身近に杏さんを感じてなごみもするので、オススメです。
巻末の村上春樹さんの解説で、
杏さんは「普通の女の子」と評されていますが、
そうか、それならそれで、
普通の女の子のなんと素晴らしいことよ!!と思いましたよ。