【感想・ネタバレ】花宴のレビュー

あらすじ

江戸から西に一八〇里の嵯浪藩で代々勘定奉行を務める西野家。一人娘で小太刀の名手である紀江は、父の弟子の青年にほのかな想いを寄せる。別の弟子と夫婦になった後も彼のことを忘れられぬ紀江だが、うしろめたさに苦しみながらも少しずつ夫と共に笑い合えるようになっていく。しかしある朝、思いもよらぬ事実が……。著者は『弥勒の月』『東雲の途』や、『燦』シリーズで時代小説家としても高い評価を受けるあさのあつこ。武士の家の娘として強く生きた女性を主人公に、人生のままならなさや真の愛情の意味を、四季や剣のみずみずしい描写とともにしっとりと描く傑作時代小説。

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Posted by ブクログ

割と淡々とした文章で綴られており、読みやすい。
内容としても大きく驚くことは無いが、退屈させるようなものでもない。
時代小説だがリアリティはあまりなく、あくまで「物語」なのだと感じさせる内容。リアルな時代小説と比べると少しファンタジーというかフィクション調が強く感じられた。
終わり方は切なくハッピーエンドとは言い難いのでそれを求めて読むと辛いかもしれない。それでも綺麗な終わり方だったと思う。モヤッとすることはなかった。

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2021年08月20日

Posted by ブクログ

弥勒シリーズで注目している著者の、時代小説ということで、この作品もまた印象に残る好編だった。
現代小説では、陳腐となってしまいかねないテーマでも、時代小説では心の琴線に触れ、余情が溢れる作品となる。
それにしても何と、美しく哀しい物語だろうか。

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2015年04月18日

Posted by ブクログ

久しぶりのあさのさんの時代小説です。
最初の頃ほどではないにしろ。文章の靭さは相変わらずですね。物語としては好きな作家さんなのですが、あまり手を出していないのはそのせいです。どうも文体に疲れてしまうのです。
エンディングは素晴らしい。でも、そこに至るまでの過程がちょっと。
事情で結婚できなかった昔の人を思うあまりに、現在の夫に馴染みきれない主人公。でも、夫はとても良い人なのです。
過去は忘れられなくても、夫の愛情、そしてその誠実さや包容力にじんわり愛情を深めていく。その方が、最後への流れも素直に行ったような気がします。
その辺りは女性と男性の感性の差かもしれませんが、最後が綺麗なだけに、ちょっと勿体無いかな。

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2016年05月15日

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