あらすじ
弱小茶道家元・友衛家のあとつぎを放棄して家出した主人公、遊馬。「自分らしくいきることにしたんだ」とはいうものの……。東西のユニークな茶人たち、ほんのり甘い恋心、消えた茶杓。京の都で繰り広げられる茶ごころたっぷりの傑作エンタテイメント!
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Posted by ブクログ
茶道の家元の長男として生まれ、将来は跡継ぎと決められてきた主人公、遊馬。
茶の伝統を受け継ぐ者として、一度は上方の空気を吸って来いと京都の大学を受験させられるも…実はそれをボイコットして遊びに行っていた。ある日その事がばれ、寺に放り込まれそうになったのを機に家出を決意。
友人宅に転がり込むが、これがひょんなことから京都の町家で暮らすこととなってしまった。しかもその家のおばあちゃんは遊馬の家と関わりの深い巴流の茶道の先生をしているという。
どうにかお茶から逃れようともがくも何故だか茶の湯と縁の深い遊馬。
しかも本人は望まないものの茶道の素質があり、家元としての英才教育の賜物がにじみでてしまう。
何がしたいのかわからない遊馬がドタバタしているくだりが長すぎる気もするけれどラスト50ページくらいの展開が圧巻!
主人公の魅力はイマイチですが、脇役が個性的なので意外とちょうどいいのかも。
とにかく私は好きな話でした。京都好き、茶道好きにはお勧めです。続きが出ているようなのでまた読みたいな。
Posted by ブクログ
ちょっと軽いおばかさんのように感じる主人公の遊馬(あすま)くんが
とっても愛おしくって
他にも不思議な魅力を持った人たちがたくさん出てきます
心にとどめておきたい言葉が何個かあって
手帳にメモして、何度かつぶやいたりしています
「欠けているものは、いずれその人の中に求める心が生まれれば
必ず補われる。」
「待ってたって未来なんかどこにもない。
男なら、引き裂いてむしりとって割れた爪の間に作るんだ」
他にも、茶の湯の規範や掛け軸の言葉
以前、読んだ時はストーリーにばかり気持ちがあったと思うけど
今回は、心に深と染み入る言葉の宝庫でした