あらすじ
【浮雲一行の京への長き旅。シリーズ最終章突入!】
霊を見ることができる赤眼を持つ憑きもの落としの浮雲。
おのれの運命と対峙するために、土方歳三らとともに京の都へと向かう旅をしていた。
辿り着いた岡崎宿で、歳三たちは子どもの生首と抉り出された腸を目にする。ここ半年、いくつも骸が発見されているらしく、村人たちは鬼の仕業だと噂していた……。
一方、別行動を取っていた浮雲も寺の住職から“人を喰らう鬼”の伝承を聞いた直後、その寺の小僧の惨たらしい死体を発見し……。
恐ろしい伝承の裏に隠された哀しき真実とは――。
人は誰しも鬼の一面を持っている。
怪異の謎とともに明かされる土方歳三の秘められた過去。
累計750万部突破の「心霊探偵八雲」と双璧をなす
幕末ホラーミステリシリーズ、最終章突入!
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Posted by ブクログ
セカンドシリーズ第三弾(シリーズ通算では九冊目)。
京へ向かう旅を続ける浮雲一行。
辿り着いた岡崎宿で、浮雲たちと別行動を取っていた土方&宗次郎は子どもの惨殺死体を目にします。
一方、浮雲たちは寺の小僧が攫われそうになっているところを助けた縁で訪れた滝川寺の住職から"人を喰らう鬼"の噂を聞かされて・・。
今回は、土方さん視点と前作から旅の仲間に加わった遼太郎(正体は慶喜)視点が交互に切り替わって進行する構成となっております。
さて、この度浮雲たちが巻き込まれるのは、子どもばかりを狙う"鬼"の事件なのですが、なんせその殺され方が酷たらしいので、グロ耐性が弱々な私は死体描写シーンは斜め読みになってしまいました。
そして、セカンドシリーズに入ってから土方さんを翻弄していた、蘆屋道雪の傀儡・千代がまたまた登場し、彼女の過去が明かされ、同時に土方さんの心の闇が浮き彫りになる展開です。
ただ、土方さんと千代との決着はついたとはいえ、全体的に話の内容がぼんやりした印象なんですよね~。
"鬼"の件も、結局いつものように背後には蘆屋道雪や狩野遊山がいた訳なのですが、この人達が一体何がしたいのかがイマイチわからないという・・道雪が朝廷側で遊山が幕府側なので、立場的に敵対しているのだからお互いに"直接"潰し合ってくれないもんですかね?
ところで、遊山といえば、己の中の"心の鬼"を持て余している土方さんに、「私があなたに人を斬る口実を与える・・」として「・・欲求のままに人を斬れば、それは鬼です。しかし、大義があれば、英雄になる」と誘う場面があったのですが、前述したように遊山は幕府側なので、この台詞は後の"あの組織"結成へと繋がる布石なのかな?・・と、つい深読みしてしまいました。
ということで、またしても浮雲より土方さんの事ばかり書いてしまいました・・(浮雲もちゃんと謎解きしてますよ~w)作品説明(帯)に"シリーズ最終章突入"と書かれている割には旅の進みは相変わらず遅い印象ですけど、一応"佳境"に入ったということなのですかね?(次巻でいきなり京に到着していたりしてw)
神永さんお馴染みの「待て!!しかして期待せよ!!」というフレーズを信じて続きを楽しみに待ちたいと思います~。