感情タグBEST3
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Posted by ブクログ
装丁に惹かれて借りた本。次作が楽しみな作家さんの一人になった。江國香織さんが「手ざわりがある」とコメントしていたのも分かる気がする。
主人公の言葉や身に起きる現象が誰かとリンクしていたり月を骨に例えたりしていて面白いし、夜の空気や時間の流れ、月明かりと人の歩み・・・そういったものを感じて穏やかな気持ちにもなった。
Posted by ブクログ
7歳の誕生日に船に乗って、父はそれっきりいなくなった。
消えた父の面影を残したまま、貧しい叔父に引き取られた僕は
湖がある寒い街で少年時代を過ごし、大人になって港で働くようになる。
そこで盗難車や事故車を売買している男は、
かつて少年と父だけが知っていたサイモンそのものだった。
サイモンが語った船上での父と交わした言葉と最後。
アイスホッケー場で出会った彼女と、少年時代に近所にいた、今はもういない少女との思い出。
喪失を抱えてもなお、人は生きていく。
それは少年だけに限らず、サイモンだって、他の人だって同じ。
暗く寒々しい情景が浮かんだよ。
父の最後は、本当かなあ?