【感想・ネタバレ】暗黒流砂のレビュー

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暗黒流砂

2023年11月22日

国土庁の公有地不正交換疑惑を追っていた中津刑事は、罠にはめられ退職となる。それでも中津は、悪の中枢に迫るべく活動する。

国土庁の課長、梅原もまた部下の不正を理由に解雇となる。

ホテルで二件の殺人事件が同時に発生する、中津と梅原は、各事件現場へ何者かに呼び出され、まだ見知らぬふたりは、思いもかけず...続きを読むこのホテルのエレベーターで遭遇する。

悪の中枢の息がかかった料亭「まつ坂」、その女将の娘と中津は恋に落ちる。新たな殺人事件も発生する。まつ坂を舞台の中心にして、那須警部も登場して、中津を中心にストーリーは展開していく。

はたして悪の中枢は暴かれるのであろうか。中津と恋人の仲は、どうなってしまうのか。彼女の父親は、いったい誰なのか。

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Posted by ブクログ 2023年09月30日

本書は昭和48年に『週刊ポスト』に連載され、同年末に刊行された著者の初期作品である。近年は政治改革の成果か、政界を揺るがす疑獄事件は起きなくなっているが、昭和期は腐敗が酷かった。著者は「悪徳政治家をせめて小説の中で弾劾しようとしてこの作品を書いた」と述べる。次期総理の有力候補・玉置森堂が政治的野望を...続きを読む実現するために計画した国有地売却計画。ある投書から、その背後にある不正の捜査をはじめる刑事・中津和男。上からの圧力に屈せず地道な捜査を続けるが、虎の尾を踏んだ彼は罠にはまり、辞職を余儀なくされる。そんな彼に一本の電話が入る。罠を仕掛けた女・久田芙美代の居所を教えるものであった。その場所はある高級ホテル。新たなる罠の危険を承知のうえで、意を決してホテルに向かう中津。そこで遭遇したものは何と・・・。中津は、恋人の純子の協力を得て、巨大なる敵との闘いを決意する。

なかなか面白く読めた。圧倒的に強大な敵を相手に、いかなる武器も持ち合わせない一個人が蟷螂の斧をふるって立ち向かうのが作者の作品によくみられる趣向である。プロットも凝っていて読ませてくれる。52年に主人公・中津を北大路欣也が演じたTVドラマが放映されていて、調べたらDVDで出ている。機会があれば視聴したいものだ。

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