【感想・ネタバレ】本質思考―MIT式課題設定&問題解決のレビュー

あらすじ

現象に惑わされず、「その裏側で何が起こっているのか」「どうしてそうなるのか」というふうに、ものごとの本質に目を向けなければ、情報が溢れる今の世の中、情報に流され、現象の裏返しみたいなスジの悪い答えにしか行きつけない。
理系大学の最高峰、MIT(マサチューセッツ工科大学)でシステムダイナミクスを学んだ戦略コンサルタントが、その教えを下敷きに、ビジネスで真にインパクトがある解を導き出す思考法「本質思考」を解説する。

【主な内容】
CHAPTER1 人は意外に深く考えていない
CHAPTER2 本質思考とは何か?
CHAPTER3 本質思考のステップ1 モデルを描く
CHAPTER4 本質思考のステップ2 ダイナミズムを読み解く
CHAPTER5 本質思考のステップ3 モデルを変える打ち手を探る
CHAPTER6 本質思考のステップ4 行動し、現実からのフィードバックを得る
CHAPTER7 本質思考を身につけるためのトレーニング方法

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Posted by ブクログ

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『本質思考』要約

■そもそも「本質思考」とは何か?
結論をまとめると、
本質=構造(モデル)✖️因果(ダイナミズム) で成り立っており、
「本質思考」とは、物事をモデルとダイナミズムから考える思考のこと。
この思考には4つのステップがある。
①モデルを描く
→構成要素と関係を1枚の絵で表すことで、「どうしてそうなっているのか?」という因果関係を明らかにする。注意点として、因果は入れるが相関は入れない。
モデルを考える上で、以下の5つの構成要素を入れると良い。
1:インプット元
2:アウトプット先
3:競争関係
4:協力関係
5:影響者
②ダイナミズムを読み解く
→モデルが生み出す結果を長い時間軸で捉える。その際に、「ストックとフロー」「非線形」「作用と反作用」などを意識すると、ダイナミズムが特定しやすい。特定したダイナミズムを検証する時は、「物語として成立するか?」「因果の終着点までたどり着くか?」を確かめると良い。
③モデルを変える打ち手を探る
→大きな変化を生む小さな「くびれ」=レバレッジポイントを探す。モデルが変われば問題は解決する。
④行動し、現実からのフィードバックを得る
→①〜③を繰り返すことで、実際に自分が考えたモデルやダイナミズムの精度を検証し、現実からのフィードバックを得てそれを高めていくことが本質思考のアプローチである。

■なぜ「本質思考」が必要なのか?
一言でまとめると、「スジの良い答えは本質から考えないと生まれない」からだ。
本質から考えずに、目に見える表層的な部分だけをみても、スジの悪い答えしか出てこない。だから結果に繋がらない。
これはプライベートもそうだが、特に様々なビジネスシーンで役に立つだろう。
具体的には、「何が問題なのかがわかる」「何をすべきかが明確になる」「関係者を説得できる」「関係者の共感を得られる」「行動に移すことができる」「問題を解決できる」といった効果を発揮する。

■どうやって「本質思考」を取り入れるのか?
本質思考は、現象や情報に惑わされず、ものごとを抽象化し、自分の頭で考えるという、情報に頼らない考え方である。
裏を返せば、本質思考を鍛えるためには、情報を収集して知識を詰め込むだけではいけないことがわかる。
つまり、考えるための切る口や、使えるアナロジーを増やすことの方がはるかに重要となるのである。

〈本書に書かれているトレーニング法〉
・新聞や雑誌の記事のタイトルから連想する
→タイトルを見て、記事の内容をモデルとダイナミズムで捉え、記事のストーリーを自分なりに描いてから記事を読む
・「思考の雛形」を増やす
→頭の中の思考の雛形が多いほど、色んな角度からモデルを考えることが可能になり、より物事の本質に近づく可能性が高くなる。
・思考の「見える化」を行う
→思考を見える化し、描き出したモデルとダイナミクスをクリティカルに見て、考えを深化させる。
・持論を他人にぶつけてみる
→メリット①ストーリー作りの訓練になる
 メリット②相手の賛成や反対、質問などによって、自分の自論が進化・深化する。
・歴史観を磨く
→根源的なドライバーを考えるという発想を育む。
・答えのない問題に取り組む
→ロジックだけで解けない問題、人によって大きく考えが異なる問題などは、本質思考を鍛える上で大いに役立つ。

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■その他メモ
・「現象の裏返しは決して答えではない」
なぜなら、現象はあくまで結果であって原因ではないからである。原因を解決しないものは対症療法にしか過ぎず、結果的に時間とエネルギーの無駄になる。

・本質に目を向けると論理的思考や仮説思考の威力が増す
→本質から考えた上でのピラミッド構造や仮説は、現象から出発したピラミッド構造や仮説とは明らかに質的に異なってくる。

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2020年09月08日

Posted by ブクログ

ネタバレ

自分にとってはまだ難解だった。
本質とはそのものがそのものであるために必要な最低限の要素のこと。
本質はモデルとダイナミズム、すなわち構造と因子からなりたっている。
その因子を「なんでそうなっているか」を追求して見つけ出し、長期的なプラスをもたらすために考えていくことが本質思考(なのだと思う。)

また自分がいろんなインプットをして理解が進んだらもう一度読んでみたい。

<本質から考えるためには>
「なぜそうなっているのか」説明できるようになる。「なぜ」を繰り返す。「なぜ」「なぜ」「なぜ」。
例えばフレームワークを使うにしても、「なぜそのフレームワークを使うのか」意識しておかなければ意味がない。用語もただ覚えるのではなく、なぜその用語が重要な意味を持つのか考えなければいけない。
・相関関係と因果関係は別物(因果関係を見つけるのが本質思考)

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2016年05月14日

Posted by ブクログ

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モデルとダイナミズムを考える。
言うと簡単だけど実際には難しい。
モデルを読み解くのはできると思うが、ダイナミズムを読み解くには知識と経験・深い洞察力が必要だ・・・

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2015年10月05日

Posted by ブクログ

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現象の表面のみを切り取って、課題の裏返しのような解決策を導出するのではなく、その背後にある「本質=構造(モデル)×因果(ダイナミズム)」を読み解くことの重要性を説いた一冊。主張自体はシンプルに感じたが、同じく日々コンサルティングに従事するものとして、そのシンプルなことを実践する難しさは理解できる。
特に思考のクセ(p.22)の分類は、セルフレビュー/他者のレビューを行う際に、視点として効果的と思う。また、p.78(以下参照)の記述は、極めて本質的であり、言い換えると「予断なく現象を観察する」「意味のあるMECEを導出する」ことと解釈した。

特に印象に残った箇所は以下の通り
・「「思考のクセ」の分類 ①裏返しの結論のクセ②一般解で満足してしまうクセ③フレームワークに依存してしまうクセ④カテゴリー適応のクセ⑤キーワードで思考停止に陥るクセ⑥初期化説に固執してしまうクセ⑦考えている目的を失ってしまうクセ⑧プロセス偏重のクセ⑨主体性を喪失するクセ」(p.22)
・「逆説的だが、複雑なものであればあるほど、モデルとダイナミズムでシンプルに考えるべきである。なぜなら、複雑なものはそれを構成する要素も多く、要素分解しても、今度は構成要素の数の多さに頭を抱えることになってしまうからだ」(p.63)
・「本質から考えた上でのピラミッド構造や仮説は、現象から出発したピラミッド構造や仮説とは明らかに質的に異なってくるということだ」(p.78)
・「モデルを考える上でのヒント 因果に注目し、相関は無視する」(p.100)
・「システムダイナミクスの中には「原因と結果は、時間的・空間的に近接しているとは限らない」という考え方がある。これもレバレッジポイントを考える際に、常に意識しておいて良い言葉だ」(p.168)

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2024年08月07日

Posted by ブクログ

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システムシンキングを少し勉強したくて手にとりました。現象を構造化し要素間の因果を読み解いていくことで本質的な課題を読み解くということです。当然この本だけで身につくものではありませんが、初めての手引き書という意味では平易に書かれており解りやすかったと思います。

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2015年04月19日

Posted by ブクログ

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MITスローンスクールで教えられるシステムダイナミクスをベースにした問題解決の手法。
モデルを描く、ダイナミズムを読み解く、モデルを変える打ち手を探る、行動し現実からのフィードバックを得る、というステップ。
モデルを描くための5つの要素(インプット元、アウトプット先、競争関係、協調関係、影響者)、そしてレイヤー(階層構造)の観点。
その後のステップを進めるための考え方やヒントは示されているが、現実的な適用は素人が個人的に取り組むような気持にはなれない。
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2015年02月24日

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